アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

ゲルマンとラテンの価値観

ゲルマンの質実剛健とラテンの楽天主義はどちらが賢いか。夏休みの旅行で昼食時に高速道路のサービスエリアで見た光景が忘れられない。優雅な大きいベンツから降りてきたドイツ人家族は組み立て式の椅子を出して用意してきた冷たいサンドイッチを食べ始めた。少し遅れて小さなフィアット (こちらは明らかにぼろ車)からイタリア人家族が5人降りてきたと思ったら優雅にも レストランに食べに行った。車の価値はドイツ:イタリア=10:1 かもしれないが、食事代はドイツ:イタリア=1:10くらいつくであろう。同じ資金力の者達が自動車にお金をかけるか食事にお金をかけるかの価値観の違いだ。食事は一時の楽しみ、自動車は家に次ぐ超耐久消費財だから自動車の方が大事と考えるのがゲルマンとすれば、命あっての人生、明日命があるのかどうかわからないのが生まれた人間の運命(必ず死ぬ、しかもそのときを凡人は自分で決められない)と考えれば、今を最大限楽しく生きないのはせっかく大事な命を授けてくれた神を冒涜するもの、大事な昼食時に味気のないアスファルトの上で簡易の椅子に座り冷たいサンドイッチを食べるほど人生長くないと考えるのは ルネッサンス以降イタリア人のDNAに引き継がれた「人間中心主義」なのであろうか。若いうちはラテン的に楽しく暮らし、歳をとってからはゲルマン的な考え方に切り替えている自分は、もしかしたら現代ヨーロッパ文明を超越した典型的な日本人なのであろうか。ラテンもゲルマンもどちらも正しい、我らは両方の良い部分を吸収して超文明に挑戦しよう。