アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

スペインの政権交代と末期ユーロ

イタリアの首相辞任に続いてスペインでは選挙で7年半続いた社会労働党(PSOE)が惨敗、新たに単独過半数を獲得した国民党(Partido Popular)の党首Mr. Rajoy が大統領に就任した。スペインも二大政党の国で現状がだめだから野党ならましだろうという選択だと思うが、最近の経済状態は日本のバブル崩壊後より一段とひどい。スペインは1986年EUに加盟して補助金ももらい、ピレネー山脈の南はアフリカと言われていた時代から欧州の一員並みに成長した。1992年のバルセローナオリンピックをはさんで僕は1989年~1997年現地で生活してフランコ時代の暗いスペインから躍動するスペインを見てきた。当時日本のGDPは約500兆円、スペインのGDPは約50兆円と経済規模は日本の1/10。それが昨年は日本のGDPは変わらず約500兆円だがスペインは110兆円に成長した。経済規模が2.2倍になった理由はほかでもないペセタがユーロに変ったからであり、本質は変わっていないように思う。1999年1月に各国通貨とユーロの交換レートが決定し、3年後の2002年1月から実際にユーロというお金が流通し始めたのだが、スペインは1999年1月の実質ユーロになる前後から不動産バブルが発生、1990年前後の日本と同じような状況になった。統一通貨ユーロで比較すると割安だったスペインの不動産を買った外国人がそこそこ利益をあげて、不動産バブルを引き起こしてから引き揚げたのだろう。その後に残ったのは高値の不動産を買ったスペイン人がその不動産を処分しても払いきれない借金を抱えた姿だ。そして今やスペインの失業率は最悪の22%、25才以下の若者に限ると48%というからユーロは若者の未来を奪ってしまった。もともとアリ(ドイツ)とキリギリス(ラテン諸国)の哲学は異なるから同じフォーク(ユーロ)で食事をするのが間違いだったのだ。ユーロを死守しようとするとアリ派の少数国(ドイツ・フィンランド・オランダ・ルクセンブルクなど)で残り大勢のキリギリスの冬場の食事を賄うことになるだろう。アリよ、永遠なれ。(キリギリスより)