アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

イタリアの債務問題とユーロ危機

ギリシャ危機が大問題になっているさなか、女たらしで悪名高いイタリアの首相 Berlusconi が辞任に追いやられるほどイタリアの債務問題がユーロ圏を震撼させている。ギリシャだけでもユーロ圏にとり大変な問題だが、ギリシャの6倍の債務を抱えるイタリアが債務不履行になるとユーロにとってもっと深刻な問題になる。既にイタリア国債は1993年以降の最安値(従い利回りは最高の7%超)になっており、利回りが7%を超えると危険水準といわれ、自力での資金調達が難しくなる。イタリアでは公共事業を受注しても行政側が支払いを滞納するので一向に工事が進まないという問題が一般化しているそうだ。イタリアの債務は今年末時点でGDP×120%=約200兆円というのに、先週末やっと首になったBerlusconiは政府専用機に未成年の女性やら売春婦等を乗せて地中海の孤島に遊びに出かけたり、マフィアと親しく付き合っていたりして、自国の経済がどうなっているのか一向に気にしていないようだった。75才のこの男は歌手から建築請負会社の経営者として金儲けをした後、1970年代後半からテレビ局3個を持つマスコミ界のMedia Setを興して全国に名が知れるようになり、1990年代に政界に進出した。Forza Italia(イタリア頑張れ)などという訳のわからない政党を作って党首になり、1994年に初めて首相になった。今は女性スキャンダルなどで司法に追及される被告人だ。寛容なイタリア人ももうこの男に政治は任せられないと観念したようで、今度は経済学者上がりの Mario Monti を新首相にした。イタリア人待望の Super Mario として国民の期待は極めて大きいが、それ以上にユーロ圏17カ国にとって極めて重要な人物だ。ユーロ圏経済規模第3位のイタリアの財政改革・債務削減がうまく行かなければ、それはユーロの存続問題に発展する。なぜならば次は第4位のスペイン、そして第2位であるフランスの債務危機がそこまで迫ってきているからだ。PIIGS+Franceの6カ国の債務を実質的にドイツ1国で面倒見るのは非現実的であり、その前にユーロは空中分解するしかないだろう。ユーロ圏17カ国全員が Super Mario の手腕に最後の望みをかけている。