アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

大相撲初場所に物いい

プロレスがスポーツマンシップに則り正々堂々とやっていると思って観戦している人がいないように相撲もそのような目で眺めれば腹も立たないではないかと東京都知事相撲ファンを慰めてくれている。何せ数十年前から八百長が行われていたといろんな人(多くは角界を去った元力士)がしゃべっているにも拘らず、物証がないという理由でそういう人たちの証言は根拠なしと否定されてきた。それが運悪く昨年の野球賭博事件の際に押収された一部の携帯電話から14人ほどの名前が挙がってしまい否定できなくなった。相撲は勝ち組と負け組の二者択一なので非常に厳しい世界だ。勝ち組は天国への道、負け組は地獄への道という感じか。そこで連帯意識を共有する者(或いは部屋)が話し合いによりできるだけ多くの力士が天国に行けるように配慮するのだろう。14日を終わって7勝7敗の力士は最終日に天国か地獄への切符を手にする。実力で天国に行ける自信のある人ならその時点で9勝以上しているだろうから7勝7敗で絶対に千秋楽に勝てる自信のある人は少ないはずだ。そこで対戦相手が既に勝ち越している人なら話はつきやすいことくらい容易に想像できる。初場所14日が終わって幕内で7勝7敗の力士は6人いた。そのうちの4人(28才、29才、31才、34才)が対戦した相手は、3人が8勝6敗と既に勝ち越した者(25才、26才、33才)、もう1人が9勝5敗とこれまた勝ち越している者(26才)、結果はこの7勝7敗力士4人が全員偶然勝ち、既に勝ち越していた相手の4人が偶然負けていた。これら4組8人の力士は全員結果的に天国行きの切符を手にした。負けてあげた力士はこの場所金銭的報酬を得るだけではなく将来自分が7勝7敗で千秋楽を迎える時が来て対戦相手に貸しがある場合はお返しを期待することができ、相撲界全体で最大多数の最大幸福を実現できることになるであろう。初場所で残り2人の7勝7敗力士(共に27才)の対戦相手は5勝9敗(26才、前頭3)と6勝8敗(34才、前頭9)と既に負け越し、地獄行きが決定していた。結果は7勝7敗力士が2人とも勝って天国行き、対戦相手はそれぞれ5勝10敗と6勝9敗になったがこれでも次の場所十両に陥落するほどの地位ではないので、「来場所」のための設備投資と考えて相談に乗るかもしれないし、この場合はガチンコ相撲だったかもしれない。頑張って勝ったところで仕向け地が地獄から天国に変わるわけではない。この既に負け越しが決まっていた相手と対戦した2人の7勝7敗力士はさておき、他4人の7勝7敗力士が全員勝って8勝7敗で終わったというのは、偶然にしてはあまりにも美しすぎないだろうか。都知事は昔から相撲とはこんなものよと悟っておられるが、いやしくも天皇杯があり、内閣総理大臣杯もある国技たる相撲でいかにも不思議な偶然がほぼ毎場所繰り返されるのはいかがなものであろう。親方・理事の中にも現役時代の八百長問題が派手に報じられた方たちが結構おられる相撲協会の自浄努力は期待する方が間違っているだろう。星の売買資金を断つためにも力士・親方の給料を今度再開する場所から半額にして食費と生活費で使いきる程度にしたらどうだろう。勝ち力士がもらう懸賞金はオリンピック選手強化のための資金に強制的に全額寄付するようにして、誰がいくら寄付したか寄附金額の番付表を公表しよう。そして力士は金ではなく名誉のために戦っているのだと示してほしい。