アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

日独伊は脱原発三国同盟を

福島の原発事故による放射能の影響が1ヶ月もたたずに北半球ほぼすべての観測地点で確認されているが、チェルノブイリの時は1週間以内にほぼ全欧州に高濃度の放射性物質が拡散した。2,000km以上も離れたイタリア北部のミラノですら原発核爆発事故の1週間後には当分の間野菜やミルクなどは控えるようにと政府は国民に注意を喚起したぐらいだ。原発は人類にとって危険すぎるという教訓からイタリアは早々と全ての原発廃炉にしたのだが、現首相(Silvio Berlusconi)は中東産石油に依存するエネルギー構造を見直し2013年を目途に原発の復活を決定していた。そこに起こったのが福島第一原発事故。これでイタリア国民は首相の原発復活に猛反対、少女買春問題で被告席に立つ首相も原発復活は諦めてイタリアは結局元の黙阿弥になりそうだ。世界の原発の71%は米仏日露独6ヵ国で占める(露は現在ロシア+ウクライナ)。その原発大国のひとつドイツでは福島の事故を見て、原発4基を抱えるBaden Württemberg州の3月末の議会選挙で、一貫して「原発廃止」を掲げてきた環境政党緑の党」が得票率を倍増させ、野党が過半数を制するに至った。「原発ルネッサンス」派の女性宰相(Angela Merkel)も福島の事故と緑の党の躍進を見て自己の主張を変更し「原発をできるだけ早く廃止して再生可能エネルギーに移行したい」と自らの政策の方向転換を発表した。一方の日本だが、1979年の米国Three Mile Island事故(加圧水型軽水炉)の時は、二次冷却水ポンプ故障時の運転員による誤判断が最終的炉心溶融(meltdown)の原因であったと分析して、日本では教育が行き届いているからかそのような人為的ミスはあり得ないと国民を安心させた。チェルノブイリ事故については、ソビエト黒鉛減速沸騰軽水圧管型原子炉とは全く構造が異なるアメリカ型原子炉(東電等は沸騰水型軽水炉、関電等は加圧水型軽水炉)を日本は採用しているので、同様の事故は日本では起き得ないと当時の自民党政権は断言していた。これだけ他国の原発事故を見せられても日本は何の教訓も得ていなかったことになる。今回の福島事故により管首相はついにイタリア・ドイツに続いて我が国も「原発ルネッサンス」という空夢を卒業し、脱原発の方向に舵を切ったようだ。日独伊三国が脱原発で足並みをそろえ世界を動かすことを強く望む。ところで、第二次世界大戦ではイタリアは日独と違って敗戦国ではない(とイタリアでは教えている)。戦争を始めたムッソリーニは1943年に失脚しており、その後イタリアは枢軸国から連合国側に鞍替えしたから、終戦の1945年の時点では勝戦国なのだそうだ。ドイツは日本より少し早めに降参して敗戦国となり、日本は原爆を落とされるまで戦って最悪の敗戦国となった。過去の三国同盟はさておき、今回は日独伊三国とも脱原発で足並みをそろえ、ぜひとも将来の世代に誇れる核なき安全な地球を守る同盟を結んでほしいものだ。(戦勝国なのに米英仏露中の国連安保理常任理事国にイタリアがならなかったのは途中から連合国に加わったからだそうだ)