アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

チェルノブイリの真実

2009年米国で出版された「チェルノブイリ」(原題 “Chernobyl: Consequences of the Catastrophe for People and the Environment” )(New York Academy of Sciences=ニューヨーク科学アカデミー発行)という本がヨーロッパで話題になっている。国連傘下のIAEA国際原子力機関)が核爆発事故の犠牲者は約4,000人と公表しているがこれを史上最大の嘘と非難して、真実は18年間(調査期間1986-2004年)の死者が98万5千人に及んだというものだ。ベラルーシの科学者3人と米国の科学者1人の共著。ベラルーシの科学者の一人はDr. Alexey Yablokovというゴルバチョフエリツィンチェルノブイリ事故特命補佐をした人物。彼らは多数のウクライナ語、ロシア語、ベラルーシ語等で発表された5,000以上の論文を基に真実に迫った。IAEAの報告は英語で発表された都合のいい350の論文だけを基にしている。どこの国にも原子力御用学者はいるものだが、放射性同位体の行き先ははっきりしている。ヨウ素-131は甲状腺に、セシウム-137は心臓と筋肉に、ストロンチウム-90は骨や歯に蓄積される。1986年4月26日発生の事故から25年経つが、2004年以降の死者を含めて100万人以上の殺人をしたと医学的データをもとに証明した。死因は主に癌。肺癌、乳癌、小児癌甲状腺癌、骨肉腫、白血病、心臓病、脳障害などで胎内死亡の例も多数ある。放射性同位体に汚染されると細胞がダメージを受ける。細胞にダメージが与えられると癌になるか先天性障害の原因となる。細胞のダメージはDNAへの損傷をもたらし遺伝メカニズムがダメージを受ける。100万人の死者の中に入らない先天性障害・奇形の被害数はその何倍にもなる。今のベラルーシの子供達で健康なのはわずか2割だけ。8割の子供達は発育障害があり知能障害もある。チェルノブイリ事故当時に生まれたスカンジナビア(爆発原子炉から2,000km圏内)の子供達まで放射能による知的能力に影響を受けており、高校を卒業する割合が極端に低い。チェルノブイリから2,500km以上も離れたフランス南部でも当時子どもだった女性の甲状腺癌の発生率が通常の10倍以上になった。犠牲者は旧ソ連から東欧諸国・トルコ・ドイツ・スカンジナビア・南フランスなど半径2,500kmの範囲に渡る。広島・長崎の原爆の500倍もの放射性物質を北半球の広範囲にばらまいただけでなく、今も石棺で覆った原子炉から空中へ地下水へと漏れ続けている。しかも原子炉に残されているものが何か実際に現場に入って確かめることもできないから真実を知ることができない。IAEA原子力の規制だけではなく原子力の促進を行う機関なので原発の安全性を訴えるのを使命としている。WHO(世界保健機構)は原子力分野に関わる健康問題についてIAEAからの事前承諾なしに関わることを禁じられている(1959年協定締結)から 「原子力は健康に有害だ」という資料を出せない。著者は、国連はWHO をIAEA から分離すべきだと主張している。原子力の専門家はまず生物学を勉強せよ、核分裂という怪物に安全にエネルギーを作らせる技術は生物である人間にはない(なぜならば必ず放射性物質をばらまくから)と教えてくれている。