アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

中曽根・小泉・安倍の原発

東電は8月、福島第一原発のタンクから高濃度汚染水が約300渡咳漫地下水となって海に流れ出たことを認めたばかりだが、昨日また別のタンクから高濃度汚染水の漏洩が発覚、要するに東電には、汚染水管理の能力も意思もないことが暴露された。今までに、恐らく故意だと思われるが、海に流した放射性物質は、ストロンチウム10兆ベクレル以上、セシウム20兆ベクレル以上、2012年4月にはカリフォルニア沖で捕獲されたクロマグロからセシウムが検出されている。東電は、汚染水から放射性物質を除去する機械(ALPS)で、放射性物質をすべて取り除いて海に流すというが、この装置では、トリチウム(tritium 三重水素)という放射性物質が取り除けない。従い、正々堂々とすべて海に垂れ流している。トリチウムと他の放射性物質とが人間の体内で合わさって、とんでもない健康被害を生じる。トリチウムを含んだ汚染水が海に注がれると、海中の水生生物が影響を受け、それを口にする人間が内部被曝するばかりか、海から蒸発したものが雲になり、やがて雨となって土壌を汚染し、動植物全般に影響が及んで、農作物や畜産物への被害は不可避となる。(京大原子炉実験所・小出裕章氏) トリチウムは体内で放射線を出してヘリウムになりDNAを壊す。

福島第一原発で働く作業員の甲状腺被曝(放射性ヨウ素による内部被曝)問題も深刻だ。チェルノブイリ原発事故では総被曝量50mSv以上でガンが増えたとの報告があるが、東電は7月の時点で100mSv以上被曝した作業員は1,973人と推計している。何度もニュースになっている通り、現場では正確な被曝量の測定をさせていないから、実体はこの数倍に上るはずだ。危機に瀕する日本の仲間を助けるため「トモダチ作戦」として活躍していた米海軍兵士も100人単位で危険水準を超える被曝していたことが分かっている。

日本における「原子力の父」と言われる正力松太郎(当時科学技術庁長官)に活躍の場を提供したのは、中曽根康弘元首相。中曽根は、米国の言うAtoms for peace原子力の平和利用)を鵜呑みにしたものの、福島第一の事故を見て、原発は即やめるべきだと考えを変えた。その前にも、スリーマイル島原発事故、チェルノブイリ原発事故、もんじゅナトリウム漏れ事故、東海村JCO臨界事故など、考えを変える機会はあったはずだが、対岸の火事と見たのだろう。小泉純一郎元首相も福島第一事故の後、考えを変えて、原発は即やめるべきだと主張する。彼はフィンランドで進めている高レベル放射性廃棄物を地下420mに埋める作業を見て、これは人間が利用すべきものではないと判断したと言う。地下の放射能がほぼ消えるまで10万年かかるというから、施設がそれだけの長期間もつのか誰もわからない。原発のゴミ処分すらできない者が原発を使うのは無責任だというのだ。

しかし現首相安倍晋三原発推進と叫んでいる。狂気の沙汰としか言いようがない。非科学的な安全神話原発という「科学技術」を制御できると思うのは、人間の驕りだろう。アメリカにもフランスにも、原発事故を処理する能力がないことがはっきりした。チェルノブイリも福島も救うことができないのだ。福島第一の事故は、我々に、謙虚に、分相応の発電をせよという、神が与えてくれた教訓ではないだろうか。