アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

地下水から高濃度ストロンチウム

先週、東電福島第一原発付近の地下水から、放射性ストロンチウム(Sr)が500万Bq(ベクレル)/litter検出されたと発表した。昨年7月採取した地下水の測定結果を、なぜこれまで公表しなかったのか、原子力規制委員会に追及されたところ、国の放出基準の16万倍以上では、いかにも公表する勇気がなく、濃度測定に誤りがないか7カ月かけて検証していたのだという。500万Bq/litter は国の放出基準の16万倍以上、東電はこの数値が住民にもたらす危険性を全く理解していない人間の集団か、人命をさほど大切なものと思っていない人間の集団なのだろう。

東電は、2012年4月、タンクに移す際にホースから漏れていた汚染水に放射性ストロンチウムが1億3,000万Bq/litter(国の放出基準の400万倍以上)という超高濃度で含まれていたと発表していた。東電の申告によれば、漏れ出た汚染水は約12邸一部は地下水となり、大半は海に流れ出たとみられ、経産省原子力安全・保安院から厳重注意を受けていたところだった。

ストロンチウム(Sr)はカルシウムに似た性格の物質で骨の無機質部分に蓄積する。Sr-90の半減期は29.1年。1/1000に減少した時点で影響がないとみなすならば、290年後に人体に影響がなくなるが、そこまで長生きする人はいない。知らずに1,000倍に薄まったSr-90の混ざった地下水を年間7リットル摂取すると約100mSvの被曝となり、100人に一人が骨癌・白血病で死ぬことになる(100万Bq=28 mSv=ミリシーベルト)。

福島第一原発が制御できない間は未来永劫、ストロンチウムを含む汚染水問題が付きまとう。それどころか、福島県では、原発事故で拡散したプルトニウム(Pu)が土壌・落ち葉などから検出されている。Pu-239の半減期は2.4万年、1/1000に減少するまで24万年かかる。今は亡きネアンデルタール人がこの世に現れたのは約20万年前、それと同じくらいの期間が経過してもプルトニウムの影響は残る。わが国でこれまでに原発で発生した核のごみのうち、プルトニウムは約44邸一体だれの責任のもと、危険極まりないこの在庫をこれだけの期間管理できるのだろうか。原発を続けるというのは子々孫々にまで有害な負の遺産を相続させるようなものだ。

残念ながら都知事選挙では、原発即廃止を主張した二候補とも落選したが、行き場のない17,000 鼎旅皀譽戰詈鋓誉廃棄物を、処理する能力も場所もない我が国で、これ以上核のゴミを増やさないために、ぜひとも元首相のお二人には、死ぬまで頑張ってもらいたいものだ。どこにあったとも知れぬ邪馬台国卑弥呼の時代に、仮にPu-239をガラス固化体に入れて残してくれていたとしたら、今世紀末までには96%位に減っているはずだ。50%に減るまであと22,000年ほど必要だ。