アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

震災がれき問題

岩手・宮城両県の震災がれき(推計約1,630万トン)の処理を巡り北九州市などで住民による反対運動が起こっている。単なる地震津波により発生したごみであればこのような問題にはならないところだが、実際は福島第一原発事故により汚染された放射性物質を含むがれきだから問題になる。福島県で発生した震災がれきについては放射能汚染問題が発生することが明らか過ぎるので他都道府県での処理は論外としているが、岩手県宮城県で発生したがれきならその問題が少ないから協力してもよいとか協力すべきではないかという議論がある。確かに困ったときはお互い助け合うのが正しいのだが、こと放射能に汚染された震災がれきについては放射性物質を全国にばらまき薄めるという発想は間違っている。燃やすと30%以上が大気中に拡散するし、放射性物質が濃縮された焼却灰は地中に埋めても海洋に埋めてもその後長期間の環境汚染の原因となる。将来的にはこのような環境汚染物質が発生するような原発をやめれば済む問題だが、現に事故が起こって発生してしまった放射性物質汚染がれきは、福島県原発のある地域(福島第一・第二原子力発電所)に放射性物質が外に漏れない構造の専用焼却施設を造りそこで処理するのが唯一の現実的対応だろう。通常の焼却施設に比べて高価な施設になるがこれは事故を起こした東電と原発を推進してきた政府の負担とせざるをえない。その焼却灰については、心情的には東京電力の敷地内に埋めるというのが理にかなっているように思うが、現実的には福島第一・第二原子力発電所のあたりは今後かなり長期に渡って人間が住めない環境になるのだから、そこで焼却も埋め立てもするしかないだろう。焼却前の震災がれきをわざわざ輸送費用をかけて北九州のような遠くに運ぶのは単に輸送用燃料の無駄遣いに留まらず放射性物質を遠くまで運ぶことにもなる。我が国の国土は将来世代の子供達、これから生まれてくるであろう未来の日本人のものでもあり、今の大人が勝手に汚して何十万年も管理しなければならないという核燃料廃棄物を愚かな自分達が生きた証しに残すべきものではない。今、政府・関電は大飯原発を再稼働させようと企んでいるが目の前の電力需給という短絡的視点で決断するのではなく、我々が住ませてもらっている国土が一体誰のものか、我々が死んだ後この国土がどうなろうと関係ないと言い切れるのか、原発事故が一度起こった地域が百年後・千年後どうなってしまうのか冷静に考えて結論を出すべきだ。腹が減ったから目の前の毒まんじゅうに食らいつくなら犬でもできる。地球は大きいから海に捨てれば放射性物質が薄まると考え更に放射性物質を生み出し続けるのは到底理性のある人間のやることではない。