アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

最後の素粒子発見者にノーベル物理学賞

我々の住む地球は46億年前に誕生した。その地球のある銀河は127億年前に誕生、その銀河を含む宇宙は137億年前に誕生したのだそうだ。宇宙の誕生の瞬間は Big Ban と呼ばれる大爆発、この大爆発から物質ができたとされ、物質を細かく分けると原子になり、原子は陽子・中性子・電子等からなり、これらはつまるところ17個の素粒子からなるという理論を考えた人がいた。既に16個の素粒子は現実に発見されていたが、最後の素粒子がなかなか見つからず、確認されたのがようやく昨年のことだった。これがヒッグス粒子だ。

この理論を1964年にほぼ同時に発表した人は3人いた。英国エディンバラ大学の Peter Higgs(84才)、ベルギー・ブリュッセル自由大学のRobert BroutとFrançois Englert(80才)の3人の学者だ。ヒッグス粒子の存在が確認されたのは昨年2012年だが、お気の毒にRobert Brout氏はその前年2011年5月3日に82才でお亡くなりになっている。ノーベル賞は生きている人にのみ与えられる賞なので、今回の受賞者はRobert Brout氏を除く二人に与えられた。

物理学の前進、宇宙の謎がまた一つ解明されたと喜ぶ中で、17個の素粒子がすべて解明されて、宇宙全体の約4%ほどが解明されたことになると言う。残りの96%は暗黒物質(dark matter)という正体不明のエネルギーとされるから、宇宙全てが解明されるのは相当先のことだろう。でも4%が解明されただけでもすごい前進だ。

ノーベル賞を受賞したのは理論を考えた学者だが、ヒッグス粒子の存在を確認できたのは20社近い日本企業の努力のせいだ。超伝導ケーブルを開発した古河電工高エネルギー加速器研究機構が設計し、東芝が製造した電磁石、特殊なステンレス材を提供した新日鉄住金素粒子の検出器やセンサーを開発した浜松ホトニクスなど、我が国の技術もノーベル賞級というべきだ。

地球上に最初の生命が誕生したのは38-39億年前とされる。最初は原核生物、徐々に複雑な生物になり、脊椎動物の出現は5-6億年前、脊椎動物になって脳が発達し始め、2.2億年前には哺乳類が出現した。6,000万年前に原猿類が登場、1,400万年前にチンパンジー(Chimpanzee)出現、700-600万年前に人とchimpanzeeが分岐したというから、137億年の宇宙の歴史書が2,000万ページの本とすると、その最後の1ページに人とchimpanzeeが分岐したことが載っているようなものだ。人類は後何万年もかけて96%の未知の分野に挑戦し続けるだろう。先の見えない気の遠くなるような話だが、一歩一歩前進する人類はすばらしい。