アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

昨年死んでいた11億円相続の犬 Trouble

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2007年8月、アメリカの不動産女王兼脱税女王レオナ・ヘルムズリー夫人(Ms. Leona Helmsley)が87歳の心不全で亡くなったとき、ペットのマルチーズに遺産の一部1,200万ドル(当時の換算レートで約11億円)を信託財産(trust fund)として残し、夫人の弟を信託管理人に指名したと全米で大ニュースになった。同時にこの弟には犬の管理費用として1,000万ドルを遺贈。脱税女王には法定相続人として4人の孫がいたが、仲の悪くなかった2人の孫には各500万ドルずつ遺産を残し、嫌われていた二人の孫には一切遺産を残さなかったので、彼女の死後廃除された孫二人が犬の遺産が不当とニューヨークで裁判を起こし、裁判で彼女が遺言を書いたとき心神喪失状態にあったと認定され、マルチーズの飼養に必要とされない1,000万ドルは犬の遺産から外された。その内400万ドルは信託の目的に沿い慈善団体に寄付され、残り600万ドルは遺産をもらえなかった二人の孫に「祖母との確執について公にしないこと、祖母についてのあらゆる書類を裁判所に引渡すこと」を条件に分配された。なぜか一人(Craig)は400万ドルだが、もう一人(Meegan)が200万ドル(現在価値1.6億円)と犬と同額。先週ニューヨークで発表になった記事によればこの犬は昨年12月13日に死亡していたとのこと。なぜ今年の6月9日まで発表しなかったのか不明だが、この超富裕犬はダイヤモンドの首輪をしており、多数の誘拐・殺害の脅迫を受けていたので、専用のガードマンがつけられていたという。犬の生活費として使われていた信託財産は年間10万ドル(800万円)。食事代10万円($1,200)美容院代60万円($8,000)以外はほとんどが犬の警備費用と言われているが、誰もそのガードマンを見たことはないとも。飼い主死亡後残された犬が3年4ヶ月で使った費用はたかだか35万ドル。犬が死んで残した遺産(信託財産)165万ドル(約13,000万円)は信託の目的に従い慈善団体に寄付されたという。夫人は犬の死後亡骸を自分のお墓に入れてくれるようにとの遺言を残していたが、これは墓地管理委員会が動物の埋葬を認めない高級墓地(ニューヨーク郊外のSleepy Hollow Cemetery)であったため実現しなかった。マルチーズは死んで遺産を慈善団体に寄付したので天国に行けるだろうが、何十万ドルもの宝石を買って税金を脱税していた罪で1年7ヵ月も投獄されていた元飼主は天国以外の場所で眠っているはずだから、あの世で愛犬マルチーズと再会することはかなわないのではないかとニュヨーク市民は心配しているらしい。犬の名前はTrouble、故不動産女王兼脱税女王のTroubleに合掌。