アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

米国で犬のフン放置犯をDNA鑑定で特定

犬の糞の放置に頭を悩ませる米国の共同住宅が、住民に対して飼い犬のDNAサンプル提出を義務付ける制度を導入し話題になっている。敷地内に放置された糞を調べて飼い主を突き止めるのだ。やるべきことをやっている飼主も多いがそうでない人がいて問題になっていた。日本にはほぼ1,200万匹ほどのペット犬がいるが、米国には約7,500万匹の犬が住んでいる。1匹の犬が生産する糞は平均125kg /年、全体で900万トン/年にもなる。米国の統計では50%の飼主が犬を公共の場所で散歩させ、そのうち40%が糞を放置しているというから、1日1回排便するとして毎日1,500万個の落し物があることになり、いくら国土面積が広いとはいえ衛生上大きな問題になっている。最新鋭の共同住宅では、住民は飼犬のDNA検査を義務付けられそのデータは「PooPrints」(poop=糞)と呼ばれる制度の運営会社BioPet Vet LabのDNA World Pet Registryに登録される。共同住宅の敷地内で放置された糞が見つかると管理人がそのサンプルをBioPet Vet Lab(Knoxville, Tennessee)に送ると、登録されているDNAと照合することにより誰が飼っているどの犬のものかが100%特定できる。DNA登録する作業はpet ID kitという専用キットを入手し、犬のほおの内側を綿棒のようなものでこすって見本を採取し、BioPet Vet Labに郵送すると、間もなくDNA World Pet Registryに登録される。その後共同住宅の敷地内で放置された糞が見つかった場合、管理人がsample collection kit(見本採取キット)にわずかな見本を取りこの会社に郵送すると、それがどの犬のものかDNA鑑定の結果がDNA World Pet Registryでわかる。具体的な費用はpet ID kit(登録用専用キット)が$29.95(約2,400円)、見本採取キットが$10(約800円)、DNA鑑定費用が$49.95(約4,000円)、他に見本の郵送料がかかるくらいだが、共同住宅の管理人の手間も考慮して代表的なところでは、初期の登録費用$50(約4,000円)、月額維持費$10(約800円)、糞放置犯として特定された場合の罰金最高$500(約4万円)というのが相場のようだ。ただ、放置犯特定の確率はほぼ100%だから、この制度を導入した共同住宅では敢えて糞を放置する飼主は極端に減るという。放置すれば必ずばれるという飼主の意識が抑止力になるという効果の方が大きいのかもしれない。米北部New Hampshire州の共同住宅(339戸、犬240匹)で、この制度を取り入れてから半年の罰金請求回数実績は約20回だという。240匹の犬で「忘れ物」をするのが月平均3匹とは上出来だろう。所によっては地域社会(community, ここらでいう「町会」)全体でこの制度を導入して大きな効果をあげているという。日本でもこんなことができれば町中の糞害を減らすことができようものだが毎回見本採取キットを航空便でアメリカまで送るというのも億劫なことだ。DNA鑑定に明るい人が独立してBioPet Vet Labの日本法人を立ち上げてくれれば我が国でも普及するだろう。一度登録しておけば迷子になった犬が見つかった場合100%飼主の元に戻ってこれるというご利益もある。
BioPet Vet Lab website http://www.biopetvetlab.com