アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

133人目の死刑確定囚(未執行分)

2006年7月岩手県で母娘を殺害し現金を奪った強盗殺人罪死体遺棄罪等の犯人の男(35才)の死刑が今日の最高裁上告棄却で確定した。「遊びのために借金を重ねて強盗を決意し、犯行動機に酌量する点はまったくない。 生命の尊厳や死者に対する畏敬の念もおよそ感じれられない冷酷、残虐な犯行だ。」と判決で指摘されているが、せっかく死刑の判決を司法が出しても行政が死刑を執行せず実質的に無期懲役並みに扱うことは正義にかなっているのだろうか。昨年末の時点で未執行の死刑確定者は132名、その内100名は2004年以降に死刑が確定した者だ。裁判員制度になってからも死刑判決は出続けており、これが最高裁で確定した場合は更に死刑確定者の数が増える。裁判員無期懲役か死刑か苦渋の決断を強いられる重い苦しい選択をしても行政の代表者としてたった一人の法務大臣がいつまでも死刑執行をせず、国民・司法の判断を無視することは、たとえ死刑廃止論者であるとしても法務大臣の裁量の範囲内であろうか。卑しくも遵法意識を持つ人間であれば悪法も法なりと法律(刑法、刑事訴訟法)を遵守すべきであり、ましてやその頂上に立つ立場の法務大臣にあっては刑事訴訟法第475条を読んで理解し判決から6カ月以内に死刑執行命令書に署名しますと公約するのが法律を司る行政のトップに課された義務であると思う。それができない者は法務大臣になりませんかと総理大臣から誘われても断るべきだろう。任命する総理大臣にもどんな者を指名しようとしているのか事前に面接すべき義務がある。過去4代の法務大臣(柳田・仙谷・江田・平岡)は死刑制度そのものに疑問を感じているとか自分なりに勉強しなければならないなどと言っている間に任期が来てしまい結果的に執行しないから大量の未執行死刑確定囚を発生してしまった。死刑制度が人道に反する犯罪であると考える者は正々堂々と国会の場で主張し、最高刑を無期懲役とか終身刑に変えようとすべきだろう。「あなたに死刑を執行する」と通告しながら何年間もその恐怖を味わわなければならない者にとってもそれは虐待というべきだ。

刑事訴訟法第475条
1 死刑の執行は、法務大臣の命令による。
2 前項の命令は、判決確定の日から6ケ月以内にこれをしなければならない。(以下省略)