アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

山口県光市母子殺害事件で少年の死刑確定

被害者遺族の本村さんには最大級の敬意を表したい。未成年者の殺人事件では被害者が4人以上という「永山基準」(事件は1968年発生)が1990年最高裁判決以来裁判の基準になっており、その後、2人か3人だけを殺しても未成年者が死刑にはならないとされてきた。現に「永山基準」ができてから死刑になった未成年者は2人しかおらず、二人とも4人を殺した少年だ。(戦後、永山基準ができるまでは1人とか2人を殺しただけで死刑になっていた未成年者は20名ほどいた)これに異を唱えたのが本村さん。殺された妻と子供のために13年間極刑を求めて司法と闘ってきた。一審二審は共に元18才少年に無期懲役。未成年者で被害者が2人だけだから死刑はきつすぎるとした。無期懲役判決の後知人に出した手紙に元少年は全く反省などしていないという内容を書いた。いわく「終始笑うは悪なのが今の世だ。ヤクザはツラで逃げ、バカは精神病で逃げ、オレは環境のせいにして逃げる」この元少年は一切反省などしていないことをばらしてしまい検察はこの手紙を裁判所に証拠として提出した。女性を殺して強姦しても殺意がなかったと主張し、悪名高い弁護士(安田好弘)の入れ知恵で、殺してから強姦したのは「魔界転生」という本に書かれてある復活の儀式を信じたから、子どもを殺して押し入れに入れたのはドラエモンに助けてもらおうと思ったからなどとでたらめな理屈を途中から言い出し、それが悪徳弁護士の悪知恵であることが裁判官にばれてしまった。「魔界転生」は、悪徳弁護士は読んだかもしれないが少年は読んでいない。どんな大きさの本だったかも一切記憶がないと裁判官にばらしている。今回の判決(最判平24.2.20)で4人殺さない限り未成年という理由で死刑にはならないという杓子定規の前近代的永山基準が否定され、光市裁判基準が確立されるだろう。今後の判決が被害者の数ではなく犯罪被害者の感情を加味したより人間的になる第一歩と評価したい。2010年 2月宮城県石巻市で起きた、元交際相手の家に押し入り2人を殺害し1人に重傷を負わせた少年に、裁判員裁判(一審)で死刑判決が出されている。検察によれば光市事件の犯人より凶悪だという。いずれこの事件も最高裁まで行くのだろうが、これで裁判員の常識が最高裁で否定されることがなくなるだろうことを期待する。

判決部分「落ち度のない被害者らの尊厳を踏みにじり、冷酷残虐で非人間的所業。遺族の被害感情は峻烈を極めている。社会に与えた衝撃も軽視できない。差し戻し審では故意や殺害態様で不合理な弁解を述べ、真摯な反省はうかがえない。犯行時少年であったことなどを考慮しても死刑を是認せざるを得ない。