アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

君が代不起立処分の東京都に損害賠償確定

7年前、入学式や卒業式の国歌斉唱の際、東京都教育委員会が義務付けた起立斉唱命令に従わず、停職処分を受けた都立養護学校の元教諭河原井純子さん(63才)と東京都が争っていた問題で、最高裁判決が確定した。最判平25.7.12は東京都の上告を退け、30万円の損害賠償を命じた東京高判平24.11.7通りの決着となった。もともと、一、二審は河原井さんの訴えを退けたが、最高裁は懲戒権者の裁量の範囲を超えているとして停職処分を取消し、賠償請求について高裁に審理を差し戻していた。

公務員の処分は、戒告<減給<停職<免職の順に重い。たかが君が代斉唱命令に従わなかっただけで、上から2番目に重い停職処分は、戦前の赤狩りに類する、東京都教育委員会思想統制とも言える。裁判では戒告が相当とされ、都の過失が認められて、「停職中、教壇に立てないことによる精神的苦痛は、支給されなかった給与の支払いでは回復できない」、「君が代不起立で不利益な処分をすることは、思想・良心の自由に影響を与える」と指摘された。わが国の最高裁判所に、まだ良識を持った裁判官がいることを誇りに思う。この裁判官達が、この秋には出すであろう非嫡出子の相続割合変更にも希望が持てるというものだ。

もともと我が国に国歌はなかったが、1869年(明治2年)に設立された薩摩藩軍楽隊の隊員に対し、イギリス公使館護衛隊歩兵大隊の軍楽隊長John William Fentonが国歌を設けるべきと進言したため、当時の薩摩藩歩兵隊長・大山巌(後の日本陸軍元帥)が自分の好きな愛唱歌古今和歌集の短歌の一つ)を歌詞にして、1880年明治13年)に今の旋律が作られたという。手本にされた英国国歌"God Save the King/Queen"は国王/女王を賛美する内容であるから、英国国歌に対抗するには「君が代」を「天皇の代」と解しただろうことは想像に難くない。

君が代国歌賛成論者は、原文の短歌が「わが君」となっており、後に「君が代」に変わったことから、「君」は必ずしも天皇、大君、天子を意味するものではなく、「好きな人」とも解釈できるというが、少なくとも明治政府ができてから第二次世界大戦まで天皇賛美の歌であったことは紛れもない事実であるから、ここらで新しい我々の国歌を作ってはどうだろう。国歌の機能は、国民としての一体感を創るものだから、反対する国民が出ないようないい国歌を作ってもらったらいい。わが国には谷村新司とか優れた作詞作曲家がいる。彼がまだ現役で活動している間に新国歌を作ってもらい、君が代谷村新司作新国歌の候補と、いずれが我らの国歌として相応しいか国民投票で決めようではないか。この日曜日の参議院議員選挙よりは投票率が高くなること請け合いだ。