アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

カタカナ語が氾濫する日本

先月末、NHKカタカナ語を使いすぎて理解不能と71才の視聴者に訴えられた。NHKは視聴料をとっているくせに、外国語を乱用しすぎて視聴者が理解できないのだから、精神的苦痛に対して141万円の慰謝料を払えというものだ。NHKは国家機関が関与する公共放送であり、これだけ公共性の高い日本の放送局が、なぜ番組名に「BSコンシェルジュ」「ほっとイブニング」など外国語を乱用しなければならないのか、日本語を軽視している姿勢は許せぬという。今回、名古屋地裁に訴えたのは、昨年来NHKに公開質問状を提出していたにも拘らず無視されたからだ。

よくぞ問題提起してくれたものだ。NHK、民放を問わず、日本語で表現できることでもわざわざ外国語をカタカナにして表現する風潮は実に嘆かわしい。「ボタン」のように、モノが日本に入ってきて同時に言葉まで外国語を採用したならいざ知らず、「コンプライアンス法令遵守)」など日本語で表現することが容易な単語までカタカナにする理由はどこにもない。一概に、日本語をしゃべっている時に外国語を多用する者に限って、自由に外国語100%で話しできないものだ。そんなに英語の単語を混ぜてしゃべるなら、全部英語で発言してくださいと言いたくなる。片言の外国語だけ覚えるからタチが悪い。

英文和訳の中で「complianceコンプライアンス」と訳しても和訳したことにはならない。「トラブル」というのも実に耳触りの悪いカタカナ語だ。「問題」とか「苦情」とかその場その場でもっと適切な日本語を使えないものか。適当な日本語が出てこなくてそのまま“trouble”と言ってしまう外国人なら許せるが、100%外国語で話せない者が英単語だけを日本語式発音に代えて「トラブル」と言うのは許せない。第一「トラブル」と発音しても英語国民には理解されないだろう。

金曜日、大阪市内の地下鉄に乗ると「今日はノーマイカーデーです」という案内が聞こえる。道に出てみると、他人の自動車に乗っている人ばかりかというと、必ずしもそうではなさそうだ。“my car”=「私の自動車」だから、私の自動車には乗らないように、誰か他の人の自動車に乗りましょう運動ともとれる。そもそも「自家用車」をなぜ「マイカー(my car)」と片仮名で言い代えなければならないのか。「自宅」を「マイホーム(my home)」と言うのも一人暮らしでない者にとっては耳触りが悪く間違った表現だ。ならば、登記名義人以外の家族は「マイホーム」とは言えないことになる。せっかくだからこの際、NHKだけではなく、民放、新聞社、雑誌社などすべての報道機関を提訴してくれたらすっきりするのかもしれない。そして我々は外国語を話すときでない限り、できるだけ日本語を使って意思疎通を図るようにしたいものだ。