杉並外国語学院という名の日本語学校を語り、ベトナム人留学生(希望者)66人以上から6,000万円強をだまし取った事件が先月報道された。実際に存在しない学校のくせに、ホームページだけ他の見栄えのする学校の映像を利用して立派に見せかけ、まんまと留学生をだますことに成功したようだ。この偽学校はインターネットの通話アプリ「スカイプ」で留学生と簡単な「面接」を行い、合格したら年間の授業料と半年分の寮費合計94万6千円を振込みさせる。(もちろん全員合格させていた)
留学を希望する者は、日本語学校から入国管理局発行の在留資格認定証明書をもらって留学VISAがもらえることを確認したのち94万6千円を振込むのだが、この偽学校は、在留資格認定証明書の画像をメールで送っていただけとのこと。画像ではそれが偽造されたものとはわかりにくく、いつまでたっても原本が届かないので催促したところ、杉並外国語学院に逃げられたという。
登記簿上の代表者(校長)は中国系。よくよく見ると、この学校のホームページ(現在は閉鎖されている)には日本語で使わない中国語の漢字まで使われていて、明らかに日本人が作ったものではない。この学校の責任者・関係者は全員今は逃亡していて連絡が取れない。被害者らの弁護士は詐欺犯を訴える準備中だが、国外逃亡している可能性大にて、被害額を取り戻すことができるか疑わしい。ベトナム人の平均年収は約30万円というから3年分以上の年収を盗られたことになる。
一方の正真正銘の日本の大学「東京福祉大学」は、もっと大規模に留学生を食い物にしている。全学生8,000人のうち、留学生は5,000人。一人70万円の授業料をとるから年間35億円の営業収入。一人3万円の私学助成金が文科省から交付されるので営業収入は更に増える。この商売をやっている人物は2006年、6件のわいせつ罪で懲役2年の実刑になった男(中島恒雄、71才)だ。収監中にも手紙などで『留学生をたくさん取れ』と指示を出していたという。
今年3月の時点で東京福祉大学の外国人留学生失踪者は700人に上る。過去3年で1,400人の失踪者が出ているとして、文科省と法務省は先月末、遅まきながら実地調査に入った。机も椅子もろくにないのに授業料収入目当てに留学生を研究生としてどんどん入学させて儲ける営利企業。留学VISAのみが目的で大学に来る者にとってはそれでもいい。建前上、週28時間の労働制限があるものの、それを無視してバイトを掛け持ち200-300万円稼ぐと、年間50-100万円の金がたまる。2年間の出稼ぎで100-200万円貯めることも可能らしい。ベトナム、ネパール、スリランカで200万円貯めようと思ったら20年以上かかる。