アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

アサドの悲劇・化学兵器

シリアの独裁政権Assad陣営が自国民に対して神経ガスのような化学兵器を使用、20発以上の爆弾に猛毒のガスなどが含まれていたと医師団は証言している。21日、首都ダマスカス東部の反体制派支配地区で使用された化学兵器では数千人の住民が神経ガスによるとみられる神経毒症状を発症した。その内MSF(国境なき医師団)が関与する病院では3,600人の神経毒症状患者を受け入れたが、355人は即死状態という。爆弾による外傷はなく、単に死亡していたというから化学兵器の威力を証明したものだ。この日の化学兵器攻撃で既に1,000人以上の死者が出ていると報告されている。オウム真理教が地下鉄でばらまいたサリンの量とは比較にならないほど大量の化学兵器が使われたことは明らかだ。

米国は昨年来、シリアの独裁者Assadに対し、化学兵器を使ったら米国は軍事行動を起こすと警告してきたが、今年初め、Assadが今回より小規模に化学兵器を使い数百人に影響が出たとき、米国は約束通りに軍事行動を起こさなかった。Assadは、米国の警告は単なる脅しだろうと思っていたのと、反体制派の抵抗があまりにも強すぎるので、大量破壊兵器である化学兵器に頼らざるを得なかったという事情があるのだろう。もともとシリアは年間200-300トンほどの化学兵器を作る能力を持っていた。

Assadを擁護する露中は、反体制派が化学兵器を使った可能性もあると主張するが、反体制派には化学兵器を作る技術がないことは明らかだ。Assad政権側の通信記録からも政権側が化学兵器を使ったと断定できると米国は主張する。仮に反体制派に化学兵器製造技術があり、それを使う場合は政権側支配地域に使用するだろう。例によって国連安保理は米英仏と露中に分かれて、安保理決議に至らないと思われ、米英仏はNATOとしてシリア攻撃を開始するのかもしれない。

大量破壊兵器は、化学兵器生物兵器核兵器へとエスカレートしていき、終着点は人類全滅であることが分かっているからこそ、ハーグ宣言などで国際的に禁止されているのだ。ヒットラー化学兵器を持っていたが戦場では使わなかった(ガス室では使ったが)。過去には1980年代、イラクフセイン(Saddam Hussein)がクルド人虐殺(5,000人以上)に使ったのみだが、この男はその後絞首刑になった。Assadもそろそろ自分の死を覚悟しているのだろうか。この男は既にシリアで10-12万人以上を殺してきて、200万人以上の難民を出している。独裁者二代目の最悪の見本だ。間もなく米英仏等によるAssad攻撃が始まろうとしている。鬼は外、Assadはこの世の外に出ることになるだろう。