アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

謎の金髪・青い目の少女Maria

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今月16日、ギリシャFarsalaの町(アテネの北280km)で、人身売買容疑でロマ(Roma= Gypsy)の夫婦(夫39才、妻40才)が逮捕された。警察が家宅捜査したところ、子どもは14人、うち一人は金髪で青い目の天使のような5-6才の少女Maria。親とは容姿があまりにも違うので警察は誘拐したものと断定し、DNA鑑定もしたところ、親子関係が全くないことが判明した。誘拐された少女の映像が世界中のテレビに出たので、8,000件ほどの保護者から問い合わせがあったという。

ところが、親捜しのテレビを見ていた人の中に本物の両親がいた。ブルガリアに住むこれまたロマの夫婦(夫37才、妻35才)で、ギリシャに出稼ぎに来ていた時に生まれたという。2009年に本国ブルガリアに帰る際、他に子供が5人いて生活が苦しかったので、生後7か月のMariaをロマの夫婦に預けたと説明した。DNA検査の結果もこの夫婦とMariaは親子であることが証明された。金銭をもらって売ったのでもなく、連れ去られたのでもないと証言する。この夫婦は現在ブルガリアで9人の子供と暮らしているのだそうだ。但し、ギリシャのロマは、一概に、子どもを誘拐して売り払うのを業としているようで、3月にはギリシャで別の夫婦が赤ちゃんを4,000 euro(約54万円)でロマの女から買ったとして逮捕されている。

ロマは1,000年~1,500年ほど前にインドからヨーロッパに移動してきた民族で、長年ヨーロッパでは奴隷として暮らしてきた。ブルガリアギリシャの他、ルーマニア・スペイン・フランス・トルコ等に多く住み、路上の商いやスリ・泥棒などで生計を立てている。全ての財産は共有物との発想から、恐らく罪悪感もないのだろう。人間でありながら、ヨーロッパに存在すること自体が非合法のようなもので、妊娠した女性が生まれた子供を売って家計の足しにする。人間でなければ人間の法律など関係ないから、合法も非合法もないことになる。

ヨーロッパに住むロマの数は400万~1,400万人と推測されているが正確な統計は存在しない。もともと人間とみなされていないので、大半の国で人口統計に入れていない。どこの出身であれ人間であることに疑いはないのだから、そろそろ人間扱いすべきだ。世界には自国を持たないクルド人(約3,000万人)、2,000年以上に渡って自国を持たなかったユダヤ人(約1,300万人、現イスラエル)などいるが、一応人間と認められている。ロマのみ、ほぼ一切の人権が認められていない。
非人間に人権はないという論理だろう。今回ギリシャで保護された金髪の天使Mariaちゃんは、現在ギリシャの保護団体の管理下にある。産み落とされた子どもに何の責任もない。今後は人間として学校にも行き普通に育てられるのだろう。時間も費用もかかるだろうが、ロマを非人間と扱うのはやめて、百年計画でヨーロッパ人に教育するのが、ロマ問題の根本的な解決に至る道だと思う。