アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

東京五輪は「ヤクザ・オリンピック」

月間1,500万の読者を抱える米国最大級の老舗ニュースサイト"Daily Beast"が1ヵ月前の2月7日に出した記事の題名は"The Yakuza Olympics"。記者のJake Adelsteinは、JOC副会長・田中英寿(日本大学理事長)が住吉会会長と一緒に写っている写真を掲載し、こういう人物が要職にある「東京オリンピック」は、アメリカにとって大いに問題があると指摘する。

犯罪のグローバル化に気をもむ米財務省は、日本のヤクザがアメリカで、麻薬、武器密輸、人身売買、資金洗浄や経済、金融犯罪など深刻な犯罪活動に関わっているとの理由から、2012年から2013年にかけて、山口組住吉会、稲川会の三団体とその会長ら幹部に対し、米国内の資産凍結などの金融制裁を科している。この制裁は、米国民(団体・個人を問わず)に対して、日本の暴力団やその幹部との一切の商取引を禁止し、親交を持つことも許されないとする大統領の行政命令だ。当然、件の住吉会会長も米財務省のblack listに載っており、JOC副会長がこれらの人物と親交を持つことは、米国の法律では違法行為だ。問題の写真は『週刊文春』にも掲載されたが、1998年9月ホテルニュー大谷における住吉会会長就任披露パーティで撮られたもので、マスコミから関係を追及された田中は、大学広報を通して、「16年前のことで古過ぎて覚えていない」と釈明している。

JOC副会長は山口組相談役だった許永中イトマン事件、石橋産業事件等巨額詐欺事件で長期服役、2012年末より韓国で服役)ともお友達で、詐欺事件起訴状によれば、1996年3月、田中は許の自宅を訪れ、大阪に相撲スタジアムを建設する件や、相撲をオリンピック競技種目に入れる件で(山口組の)力を貸してほしいと頼みに行っている。元アマチュア相撲のチャンピョンであったJOC副会長は、2010年の相撲界を揺るがした力士の違法とばく事件(山口組構成員が関わった)でも名前が挙がっていた人物だ。

日本大学理事長の顔も持つJOC副会長は、アメリカの基準では限りなくクロに近い。その上、東京五輪準備委員会会長に就任した元首相・森喜朗についても、ヤクザのボスの息子の結婚式に出たり(毎日新聞週刊文春などで報道済み)、黒い集団との癒着が以前から知られている。ヤクザの収入の多くは建設業界がらみだという。東京五輪の建設費用38億法3,800億円)について、JOCの内部情報を知る田中・森両名の仲介でその系の企業が受注するとか、ヤクザがゼネコンに貴重な情報を法外な値段で売るような恐れがある。日本のヤクザはアメリカでは活動しにくくなったが、日本では両実力者の協力のもと、東京五輪に向けて、大いに活躍しようとしているようだ。わが国では暴力団という集団は、反社会的と非難されるだけで、非合法ではない。今も合法的存在だ。

しかし、なぜ、今頃、誰が16年前の田中JOC副会長と住吉会会長の写真を暴露したのだろうか。米記者は「ヤクザの闘い」だろうという。日大理事長田中は近年、住吉会から山口組に鞍替えしたようで、日大の警備保障契約も山口組関連会社と締結した。長年田中を支えてきた住吉会としては、田中と自分の最大のライバルの蜜月関係を、指をくわえて見ている訳にいかなかったのだ。東京五輪を目指して、住吉会山口組の果てしない闘いが始まった。