アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

成長の限界

国連経済社会局人口部が、地球上の人口の見通しを発表した。世界の人口は、先月時点で約73.5億人、これが、2030年(15年後)には85億人に増え、2050年には97億人になり、2100年には112億人になるというのだ。1990年から12年毎に10億人の割合で増えてきた世界の人口は、女性の生涯出産率5以上の国(女性一人が生涯で産む子の人数が5人以上)を中心に爆発的に増えると国連は予想している。2100年までに現在の人口が5倍以上に増えると予想している国はAngola, Burundi, Congo, Malawi, Mali, Niger, Somalia, Uganda, Tanzania, Zambia10カ国、これらの国では10代女子の出産が多い。同じ期間に現在の人口が3-5倍の範囲で増加すると予測している国は23カ国もある。
 
いわゆる先進国の多くは生涯出産率2.1以下だから、移民がゼロならその国の人口は良くて現状維持、ほとんどの国で減少する。人口12,700万の日本(現在世界第11位)については、2100年に、8,300万人(世界第30位)に減少すると予測されている。その時の日本人の平均寿命は93.7才になるという。現在世界第一位の中国は13.8億人、第二位のインドは13.1億人、これが7年後の2022年には逆転して第一位インド(14億強)、第二位中国(14億弱)となる。この両国の2100年の予測は、インド166,000万人、第二位の中国は10億人。
 
1万年前、地球上の人間の数は500-1,000万人と推定されている。約1,000年前、人口は2.8億人に増えたのだそうだ。約500年前4-5億人、西暦1,80010億人、西暦1,90016.5億人と増え続けて、西暦200060億人、201573.5億人である。有限な地球上に無限に人間が増えることは不可能のはずだ。国連の予測では、今世紀中に100億人を超えることになっているが、未来学者ヨルゲン・ランダース氏(Jørgen Randers70)によれば、2040年頃、81億人と天井に達した地球上の人口は、減少に転じるという。水も食料も無限に増やせるものではなく、人口の増加にも限界があるというのだ。際限なく人口が膨張し続けると環境汚染、資源の枯渇、住宅不足、貧困の増加といった、水・食料以外の問題を引き起こす。そして、不公平から生じる社会紛争へと発展する。
 
有限の地球で、人類は永遠の成長を続けることはできない。人口、GDP、資源、食料、エネルギー、CO2、気温、これらの重要な要素はすべて人間活動からきている。人間の数が1,000万人か100億人かで変動する要素だ。地球上の人口が81億人を上限として減少するのか、今世紀中に100億人を突破するのか、Randers氏の予測に近いのか、国連の予測に近いのか、いずれ判明するのだろうが、我々は小さな惑星である地球に、持続可能なレベルを超える人間の活動の足跡を残してはならないことは、はっきりしている。成長には限界があり、環境汚染、気候変動共に過去一世紀以内に発生した人口爆発に起因する。アフリカを中心とする人口急増国において、教育を普及させ、適正な人口に持っていくための社会投資をすることが、人口減少を経験中の先進工業国に課せられた課題である。