アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

犬の里親裁判(愛犬返還請求事件)

現在、岸和田地裁で行われている犬の里親裁判(愛犬返還請求事件)は、今日、証人喚問が行われ、これで第四回口頭弁論が終結92日(金)の判決を待つだけになった。昨年1230日にインターネットサイト「ペットのおうち」で犬を里親に出したいという投稿があり、それに応じた里親志願者が今年14日にその犬を引き取りに行き、その数日後、愛犬を里親に出してしまった婆さんが寂しさのあまり、犬を返せと騒ぎ立てて裁判に発展したものだ。
 
主役は現在1才半のチワワ、堺の老夫婦(共に75才)に飼われていたが、祖父母が共に病気で、犬を生涯面倒見ることができないなら里親に出した方がよいと説得した大学生の孫(19才)がインターネット上に里親募集の投稿をしたのだった。そこに犬好きの男性が応募して、昨年1231日、老夫婦の住む老人ホームに犬に会いに行き、気に入ったので、いつでも引き取りますよ伝えたところ、爺さんが15日から入院することになったので、14日、今すぐに引き取りに来てくれと電話連絡あり、男性が中学生の子供と二人で堺の老人ホームまで引き取りに行ったのだ。
 
その時、老夫婦は、犬の物が少しでも残っていると寂しくなるという理由で、犬用のベッド、首輪、散歩紐、服、ペットシーツ、おもちゃ、エサ、おやつ、血統書など犬に係るすべてのものと男性に無償で譲り渡し、別れの際、夫婦は泣きながら犬に別れを告げた。
 
しかし、犬を里親に渡して二日目あたりから婆さんが無性に寂しくなり、里親が犬を虐待しているのではないかと疑い始め、男性に頻繁に迷惑電話をかけ始めた。電話は深夜にも及び、男性の仕事にも影響するようになったので、110日、男性は入院中の爺さんの病院に出かけ、婆さんの迷惑行為をやめさせてほしいと依頼したところ、一度犬をみせてくれたら婆さんも持ち着くはずだと言うので、では、116日、男性の家に老夫婦が犬を見に来ることで合意して別れた。
 
ところが、老夫婦は112日、突然男性宅にタクシーで押しかけ、爺さんが家の中で話している最中に、婆さんが強引に家の中から犬を奪ってタクシー後部座席に積んだのだ。犬を連れて帰る準備ができた婆さんが、爺さんを呼びに男性宅に戻った瞬間に、男性はタクシーの中に拉致されている犬を奪い返したものだから、婆さんは男性の胸倉をつかみ放さないので、男性が警察に通報し、警官5人ほどが二人を引き離し、老夫婦はあきらめてタクシーで帰宅した。
 
この刑事事件は男性が告訴状を提示し、受理されている。告訴の趣旨は、住居侵入罪、窃盗罪、暴行罪及び名誉棄損罪だ。老夫婦は元会社経営者らしく財力は充分あるので、大阪では悪名高い悪徳弁護士(弁護士会から懲戒処分の実績あり)を訴訟代理人として、男性に「愛犬を返還せよ」との訴えを起こしたのが、この愛犬返還請求事件だ。今日、証人喚問された爺さんは、「良心に従って本当のことを申し上げます」と宣誓したにも拘わらず、嘘ばかりついて、裁判官にもばれていたようで、92日とされた判決言い渡し日が待ち遠しい。