現在、京都地裁で裁判員裁判が行われている元職業「後妻業」の女・筧(カケヒ)千佐子(70才)。1994年から2013年までの20年間で、周りにいた男性12名が不審な死に方をしていて、そのうち4人とは入籍もしていた。婚約をしていた者から内縁の者、単に交際をしていただけの者もお金を借りた関係の者もいる。共通しているのは十か所に及ぶ結婚相談所から紹介された相手ばかりであること。女の物色相手の男性の条件は、高齢者、一人暮らし、資産家、病気持ち。現に、女が、犠牲になった男性から遺贈されたり相続したりして得た財産は10億円を超えるという。
もともと馬鹿な女ではない。北九州の超有名進学校「福岡県立東筑高校」でも成績は上位クラスで、親が許可してくれれば九州大学に合格していたほどの優秀な成績の高校生だった。しかし、父親は「女に大学教育は必要ない」と譲らず、やむなく地元の住友銀行に勤めた由。27才で最初の夫となる男と結婚、大阪・貝塚に移住する。子供二人(娘・息子)をもうけ、夫は印刷屋をするが商売は順調にいかず、結婚20年で病死(?)する時には、約2,000万円の借金を残した由。その後、千佐子が家業の印刷業を引き継ぐもうまくいかず廃業。
2006年、兵庫県の製薬卸会社社長(69才)と二度目の結婚、間もなく彼が自宅で脳梗塞(?)により死亡、千佐子は莫大な遺産を手に入れることに成功した。2008年、今度は農家の資産家男性(75才)と三度目の結婚、彼もお気の毒に、自宅で心筋梗塞(?)になり、救急搬送されるも死亡。すべての遺産は配偶者である女に渡る。この女は、この資産家農家の夫と婚姻関係にある間に、奈良県の元会社代表の別の男性と内縁関係にあり、三人目の夫死亡後まもなく、内縁の会社代表(75才)も心疾患(?)で死亡。2009年には交際していた奈良県の別の男性が末期がん(?)で死亡。続いて、同年、2005年来の付き合いのあった末広利明氏(79才)も救急搬送(?)され死亡。彼は2007年、千佐子に毒殺されかけ救急搬送されたがその時は一命をとりとめた人物だ。
続いて、2012年、前年から婚約していた本田正徳氏(71才)が、貝塚市内の喫茶店で千佐子からもらった飲料(?)を飲んでバイク運転中に急死、2013年、内縁関係にあった日置稔氏(75才)が、突然(?)千佐子の前で倒れて死亡。その後まもなく現れたのが、元内装業の男性、彼はレストランで千佐子と食事をした直後に倒れて(?)死亡。これら、婚姻関係になかった男性達には、事前に公正証書遺言を作らせ、自分に全財産が遺贈されるよう準備していた。この公正証書作成の指南役で、公正証書遺言の原案を作成したのは、東大法学部卒の大阪の弁護士(40代)という。成功報酬としたので、莫大な遺産が入手できたら、遺言執行者として高額の報酬を得ていたようだ。
2013年、女は四人目の夫となる筧(カケヒ)勇夫氏(75才)と婚姻するが、1カ月後には、彼も不審死(?)を遂げる。検視の結果、彼の遺体から青酸化合物が検出された。よくよく調べてみると、女の周りの男性が、上記10名を含め合計12名も20年以内に次々に不審死を遂げている。検察は、状況証拠から立件しやすい4件(末広利明氏、本田正徳氏、日置稔氏、筧勇夫氏)の殺人、殺人未遂罪で後妻業の女に死刑を求刑、第一審判決は11月7日に出る予定だ。