アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

別海から来た恋の達人の結末

北海道別海町出身の婚活殺人鬼・木嶋佳苗42才)の判決がようやく確定した。2009年、8カ月の間に首都圏で立て続けに3人の男性が練炭による一酸化炭素中毒により死亡、全員、不審死直前にこの別海町の女(当時34才)に会っていた。よくよく調べてみるとこの女には過去たくさん愛人がいて、裁判で立件された3人のほかに、少なくとも3人が不審死を遂げている。逮捕された時点でも40代の男性と同居していて、警察の逮捕が遅れれば、この彼も被害者になっていた可能性があった。
 
それどころか、この別海から来た女はたくさんの詐欺・窃盗事件(詐欺未遂・窃盗未遂も含む)を起こしていたことも判明した。20087月、東京都の41才男性から400万円以上を詐取、同年9-12月、静岡県40代男性から合計130万円を詐取、同年10-12月、長野県の50代男性から合計190万円を詐取して、詐欺罪で立件されている。全員、婚活サイトでこの女と出会った人ばかりだ。男性をホテルに誘い、睡眠薬を飲ませて眠っている間に財布から金を盗み、彼が眠っている間にホテルを先に出るというのが常套手段である。これらの詐欺罪、窃盗罪は裁判で立証されている。
 
別海の女の父は行政書士、祖父は司法書士(元別海町議会議長も)と地元の名士だったが、なぜか木嶋佳苗(長女)は少女時代から盗癖があったようで親を悩ませていたとのこと。高校卒業後上京して東洋大学に入るも中退、ピアノ講師、ヘルパーなどの仕事をしていたらしいが、真面目に働いて生活するような女ではなかった。20078月、千葉県松戸市の自営業の男性(当時70才)が自宅の風呂場で死亡しているところを発見された。死因は不明。生前彼が木嶋佳苗に貢いだ金額は約7,400万円。別海の女はこの資金でベンツを買い乗り回していた。証拠があまりにも少なく、殺人の立件はできなかった。
 
しかし、木嶋佳苗の慢心が墓穴を掘ったと考えられる。20091月、東京都青梅市の会社員男性(当時53才)が一酸化炭素中毒死した事件では、死亡直前に彼の銀行口座から別海の女の銀行口座に合計1,700万円が振り込まれていた。同年5月、千葉県野田市の男性(当時80才)の自宅から出火して全焼、男性の遺体近くに練炭が置かれていて、一酸化炭素中毒死だったが、出火の前に別海の女は男性の自宅から高価な絵画を盗んでいて、彼の銀行口座からは190万円が引き出されていた。同年8月、東京都千代田区の会社員男性(当時41才)が、埼玉県富士見市の駐車場に止めたレンタカー内で、一酸化炭素中毒死しているのが見つかった。女は学校を卒業したら結婚すると約束して、彼から先に470万円を受け取っていた。
 
さいたま地判平24.4.13裁判員裁判)、東京高判平26.3.12、そして最判29.4.14すべて死刑となった別海の女に対し、裁判官は、「婚活サイトで知り合った被害者らの純粋な気持ちを踏みにじり、働かずに贅沢で虚飾に満ちた生活を維持するため尊い命を奪った」から、極刑をもって臨むほかないという。戦後15人目の女死刑囚が確定した。