アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

オーストラリア支配を企てる中国

Australia保安情報機構(Australian Security Intelligence Organization=ASIO)長官を退任したばかりの人物が、中国の暗躍により国家の存続が脅威にさらされていると警告を発した。Mr. Duncan Lewisは5年間のASIO長官時代の経験から、中国共産党が同国を丸ごと乗っ取る計画を立てていたことを明らかにし、今後とも中国に乗っ取られることのないよう、最大限の注意を払わなければならないと述べた。その発表の直後、タイミングよく、中国の元スパイだった27才の中国人男性(王力強 = Wang Liqiang)がAustraliaに亡命を求め、スパイとして自分のやってきたことや中国の内部組織など、かなりの国家機密をASIOに暴露しただけでなく、テレビに顔を出して中国共産党の秘密をつぶさに明らかにした。

 

中国共産党はAustraliaの複数の上場企業を実質的に支配し、与党・野党双方に政治献金するなどして、国会議員にも近づき、水面下で狡猾に組織的なスパイ活動を続け、Australiaの政治体制を中国の利益にかなうよう改変し乗っ取りを画策していた。その中心人物は中国人富豪実業者で不動産業を営む黄向墨・周沢栄などとされる。黄向墨は永住権を持っていて、市民権を申請していたが、その活動が国益に反するとの理由で却下され、その上、永住権も取り消されて、2019年2月、国外追放になった人物だ。彼は野党の有力上院議員だったMr. Dastyariに多額の政治献金をして、議会で外国のスパイ活動や内政干渉を阻止するための法案成立を阻止させようとしたことがばれ、2017年12月に議員は辞職に追い込まれた。(中国との癒着スキャンダル事件)

 

中国の情報機関は、Australia人政治家の買収だけでなく、自前の政治家も豪州に誕生させようと、中国系Australia人実業家で、高級車販売店経営のMr. Nick Zhao(享年32才)に近づき、100万豪ドル(約7,400万円)を提供する見返りに、中国系住民の多いMelbourn東部選挙区で立候補するよう持ち掛けていた。Mr. Zhaoはその気がなく、この情報をASIOに通告したから、中国側は面子丸つぶれ、昨年3月彼は死因不明でMelbournのホテルで死体で見つかった。当時は死亡原因、背景など警察が調べてもわからなかったが、現在亡命を求めている元中国のスパイ氏によると、Mr. Zhaoは中国の情報機関の手先に始末されたのだという。中国から認められて、話に乗らなかったら消されるというのは、かの業界では当たり前のことのようだ。Australiaでは、これからようやくMr. Zhaoの死亡事件に関する調査が本格的に始まるところだ。

 

中国は今年に入ってから南太平洋の島国ソロモン(Solomon、人口60万)・キリバス(Kiribati、人口10万)などに経済援助の見返りとして台湾との断交を認めさせ、味方を2国ほど増やしたところだ。香港・台湾・ウイグル族などすべて支配下に置くべく着々と準備中だが、人口2,500万人のAustraliaを支配下に置くことは、中国共産党にとって数段魅力的だ。同国は過去50年で人口を2倍に増やした成長国であり、中国系住民は人口の5.6%、約130万人。彼らを使ってこれからも中国共産党の意思が反映されるような社会・政府を作るべく情報機関は工作を続けるだろう。ASIO前長官は、今後とも中国共産党の影響を断固排除すべく、我々は日々彼らの行動に気を付けなければならないと警鐘を鳴らす。