小型プライベートジェットを乗り継いで関空からベイルートに逃亡した仮釈放中のCarlos Ghosnの逃走経路が判明した。ゴーンは、トルコのビジネスマンが所有する小型ジェット機を2機借りて、まず関空からイスタンブールに脱出。関空では大型楽器(や音響機器)の運搬に使う大きなケースの中に隠れてジェット機まで運ばれ、日本出国手続きは機内持ち込みの楽器となっていて乗客にはなっていないからパスポートに「出国」の判も押されていない。関空の手荷物検査は以前からちょろいので、この事実を知っている弁護士らが脱出に関空を使うよう忠告したのだろう。
この「楽器」を運んだ乗客は米陸軍特殊部隊(Green Berets)出身のMichael Taylorら二人のアメリカ人と特定されている。機内で、箱から人間が出てくるのを知っているから、違法国外逃亡幇助犯であり、いずれ逮捕される筈だ。男らは通常は民間警備会社の警備員というから、相当の金と引き換えにこの危険な仕事を引き受けたと思われる。
イスタンブール空港にはもう1機の小型ジェット機が控えていて、高額の報酬で買収された筈の運航会社の責任者と搭乗員が同乗していたという。出国手続きを済ませていない乗客がトルコに入出国手続きができる筈がないから、そこには顔が利く元フランスの外交官と元トルコの外交官がいて、少なくとも正式にトルコから出国した形の書類を偽造したのかもしれない。この元外交官らもいずれ悪事がばれる可能性大なので、法外な報酬がなければ請け負う筈がない。
日産の法務部、企画部にいた元幹部で、ゴーンの傍らで働いていたという人物の証言では、ゴーンは特定目的会社(SPC)を租税回避地に作り、日産が海外に輸出する部品の一部をそのSPCを経由させ、輸出額の一部を目立たぬように少しずつ抜いていたとのこと。海外現地法人の所有する資産を売却する際もそのSPCを経由させ、利益の一部を抜いていた。金が入るとSPCを解散して新たなSPCをそこに移し、足がつきにくいようにして、着服した金は一時期千億円を超していたとのうわさを社内できいたという。その運用でも増やしたゴーンの個人資産は、リーマンショックで相当減ったが、まだかなりの金が海外のSPCに残っている可能性があるとのこと。
この隠し資産を検討せず保釈金を15億円とさせたのは弘中弁護士の手腕と言わなければならない。ゴーンにとって、はした金だから没収されても構わないのだ。この弁護士法人もどういう結末になろうと着手金で充分報酬をもらっている筈だから、取りっぱぐれにもなっていないだろう。日産が怪しいと疑って、ゴーン自宅を警備させていた警備会社が重大な人権侵害をしている、として、弘中が探偵業法違反の罪で刑事告訴すると脅し、警備をやめさせたその日に、ゴーンは家を出て人知れず新幹線で新大阪→関空に向かった。弘中はゴーンの共犯か逃亡を黙認した一味だ。逃亡させない、ゴーンのすべての通信も管理監督すると言って保釈を勝ち取り、逃亡が成功すると「寝耳に水」と居直る。昨年11月にも12月にもゴーンと今回の逃亡を計画した妻Carolとの電話会談に弁護士は立ち会っているそうだが、アラビア語で逃亡の詳細を話されても管理できる筈はない。ゴーンは、自分が金で買った最も役に立つ男が弘中だったと、今レバノンで述懐しているだろう。