アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

タイにもカルロス・ゴーンみたいな男あり

巨額不正蓄財は、洋の東西を問わず、いつの時代もあるものだ。ただ、最近その金額が異常に大きくなっている。タイで13歳の少女を誘拐して子供を産ませ、児童誘拐・女児レイプの罪で、先月、懲役16年を言い渡された元僧侶、ウィラポン・スクポン(Wirapol Sukphol38才)は、超能力僧侶と自称して仏教の僧侶の服を着たエセ坊主。「超能力」により、資金洗浄や詐欺、コンピューター犯罪法違反の罪でこの夏、8月には、禁錮114年の実刑判決を受けたばかりだから、合計懲役130年になる。
 
18mの高さの仏像を建て、次は世界最大のエメラルド仏像を造ると嘘を言って富裕な信者から多額の寄付金を騙し取り、僧侶のくせに自家用ジェット機やヘリコプターを所有し、ロールスロイス、ポルシェ、ベンツなどの高級車100台以上も持っている。土地、住宅、マンションなど不動産も多数所有し、警察に捕まった時には約33億円の資産を隠し持っていた。タイで33億円の資産といえば日本の100億円に相当するであろう。まるで、不正蓄財の規模ではカルロス・ゴーン並みだ。
 
正真正銘のカルロス・ゴーンCarlos Ghosn64才)は平成22年度から26年度の5年間にわたって50億円の表向きの役員報酬のほかに、有価証券報告書に記載しない裏の報酬を別途50億円もらっていたと、金融商品取引法違反容疑で逮捕された。日産に自分専用の自家用ジェット機を買わせ、タイのエセ僧侶のようにそのジェット機羽田空港に着いたところを機内で逮捕された。平成27年度から29年度の3年間についても同様の違法行為を正々堂々と行ってきたから、昨年度までの8年間で少なくとも80億円は、有価証券報告書に虚偽の記載をして、投資家を欺いていたことになる。年俸20億円もらうのはやばそうと自分でも思っていたのだ。
 
この財源で世界各地に自分用の住宅を日産子会社に買わせ、自分専用に使い、晴れて日産を退任する時には、功労金として80億円を自分に払わせ、これらの不動産を自分名義に所有権を変更しようとしていた。その間、生まれ故郷のレバノンに買った高級住宅は母親に住まわせ、幼少の頃過ごしたブラジルの高級住宅は姉に住まわせていただけでなく、この姉と日産の間で、過去十数年に渡利、コンサルタント契約を締結して、毎年姉に$10万(1,100万円)のお小遣いをあげていたという。日産にしてみれば、ゴーンにすっかり財産を盗まれたようなもので、この男の逮捕を受けて日産が会長職を首にしたのは当然だ。早急に取締役も解任して、ゴーンが勝手にもくろんでいた退任功労金80億円は絶対に払うべきでない。僕がゴーンの時代に買った2台の日産車の利益の一部もこんな男の不正な報酬に流れていたと思うと腹が立つ。
 
昔からレバシリといって、レバノン・シリアの商人には騙されるから注意しろと言われてきた。この男の父親はレバノン出身、カルロス・ゴーンにも矢張りレバノンの血が流れていたのだ。特捜部は、この男の特別背任罪で攻めようとしているようだ。経営の超能力を持ち、自家用ジェット機を乗り回すレバノン系僧侶は、どんな言い訳をして、どのような刑罰を受けるのだろうか。