アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

ムンジェインの汚い自己防衛策

 韓国大統領の成れの果ては、過去の実績が証明するところで、在職中いい思いをした分、退任後に罪人となっても仕方がないという諦めの境地なのだろうか。任期5年で再任なし、その代わり現役大統領の権限は絶大で、退任後の生活を考えて不正蓄財に走る。朴槿恵(パク・クネ)前大統領まで、ほぼすべての歴代大統領は、現役時代の不正蓄財で、投獄されるか自殺を選んでいる。

 

 パク・クネ(朴槿恵)前大統領(在任期間2013~2017年)は、大手財閥から巨額の賄賂などを受け取った収賄罪により、懲役24年、罰金約18億円(180億ウォン)の実刑判決を受け刑に服した。昨年末、ムンジェイン大統領の情けにより恩赦を勝ち取り、今年のお正月に刑務所から娑婆に復帰した。

 

 ノ・ムヒョン盧武鉉、在任期間2003~2008年)は大統領退任後、在任中の不正蓄財疑惑(約6億円)につき包括収賄罪容疑で検察が事情聴取しているさ中、62才で自殺した。ノ・テウ(盧泰愚、在任期間1988~1993年)も退任後、在任中の不正蓄財が数百億円に及ぶことが発覚して、懲役17年、追徴金約270億円(2,688億ウォン)の最高裁判決を受けた(後に恩赦)。チョン・ドゥファン(全斗煥、在任期間1980~1988年)も在任中の不正蓄財や光州事件(市民の大量虐殺)の責任を問われて退任後投獄され死刑判決を受けた。(追徴金約167億円を支払い、後に恩赦)

 

 間もなく任期が切れるムンジェイン(5月10日交代)も、早々と自分の将来を考え、法務部長官(日本の法務大臣)に腹心の男(曺国/チョ・グク)を指名したが、就任後1カ月ほどでチョ・グクの不正がばれてしまい辞任に追い込まれた。大統領が交代しても、同じ政党が大統領を出している限り、在職中の不正を追及される心配はないので、たまたま、前回の国会議員選挙では、韓国のコロナ対策がうまくいっているとのことで与党が勝利、国会の過半数を占めていたため、今回の大統領選挙もうまくいくかもしれなかったが、わずかな差で、野党の大統領候補ユンソギョルにやられてしまった。

 

 この次期大統領は、元検察総長で、ムンジェインに反発して検察総長を辞職したほどの信念の持ち主だから、前大統領を逮捕して刑務所に送るには、最良の人選なのだ。ところが、ムンジェインは、任期が切れる前に、法律で検察の捜査権を大幅に制限すべく、「検察捜査権完全剥奪法案」を国会に提出、与党の賛成多数で成立させようとしている。関連する刑事訴訟法検察庁法の改正を本日の本会議に上程して、明日にも憲法の精神に反する内容の法律の成立を目論んでいる。ここまでやっておけば、ムンジェイン退任後も、すぐに前大統領の責任を追及されることはなく、次期国会議員選挙で現与党(共に民主党)が過半数を割り、法律改正されるまで安泰と考えているのだろう。

 

 韓国の政治家も、所詮、ムンジェインのような人間が国会で多数を占めている限り、日韓関係が、大統領交代を機に、すぐに改善するとは期待しにくいかもしれない。