女性の敵トランプは、今回の中間選挙で大幅な女性議員増という結果を招いた。いわば身から出た錆である。トランプは2016年8-10月にかけて、トランプとポルノ女優ら二人との性的関係を口外しないようにと口封じ料合計28万㌦(3,000万円)を選挙資金から拠出し、政治資金法違反でMueller特別検察官の取り調べを受けている。トランプの元顧問弁護士Cohenは、自分の懲役80年とも言われる諸々の罪を軽くしてもらおうと司法取引に応じ、この口封じ料はトランプの指示で支払ったとあっさり認めた。トランプは、モデルだった今の妻(Melania)も金で買ったようなものだ。Melaniaはユーゴスラビアからモデルとして出稼ぎでアメリカに来ていて、永住権を得た。稼ぐのが目的だから、結婚の相手は金持ちであればトランプでも誰でもいい。
トランプの女遊びは業界では有名な話だ。大統領になってからも女性を食い物にするような発言をボンボンしている。女性の人権は大して重要ではない。もっと言えば、白人男性以外の人間の人権は無視しても構わないという基本的立場だ。こんな女性の敵は、私たち女性が大統領の座から引き下ろさなければならないと、今回の下院議員選挙では500人以上の女性が立候補した。そして435議席中史上最多の123名の女性議員が誕生したのだ。(改選前の女性下院議員は84名)女性の比率は19%から28%になった。ほぼ全員が反トランプである。参考まで、我が国の衆議院議員の女性議員は47名、女性比率約10%(47/465)。
女性議員の大幅増により、下院の多数派は、トランプ(共和党)を弾劾に持ち込むと息巻く民主党になった。多数派の民主党は下院の各委員会の委員長の席を占める。新しい下院は行政府に対してトランプとその一族に係る疑惑について関係書類の提出を求めることができ、関係者の証人喚問も指示することができる。もちろん行きつくところは下院の大統領弾劾決議だ。もちろんまだ上院はかろうじて共和党が過半数を占めるので簡単ではないが、かなり大きなプレッシャーになる。Nixon元大統領は、下院の弾劾決議案が提出されて、観念し辞任したが、果たして常識外れのトランプが、同じような状況下で潔く辞任するかどうかはわからない。しかし、この男の犯罪性を明らかにすることにも意義があり、弾劾決議案を提出して審議することは大いに意義のあることだ。そのためにこれだけ大勢の女性が立ち上がり、トランプを引きひきづり降ろそうとしているのだ。
民主党下院が、いずれ、トランプに突き付ける要求は、共和党下院が今まで要求してこなかったヤツの納税書類(tax return)だろうと思われる。トランプは、歴代の大統領が自ら開示してきている自己の納税書類の開示を頑なに拒否している。法律上の義務がないので、慣例を無視して開示しないだけだが、下院から正式にIRS(内国歳入庁)に開示を求めることになるだろう。父親の相続で莫大な相続税の脱税をしたとか、過去カジノやホテルなど何度も破産しているくせに、まだ大金を持っているとか、この詐欺師の金銭にまつわる話は疑わしいところだらけだ。自主的に何もしないヤツだから、議会の力で、ぜひ、トランプの化けの皮をはがしてもらいたいものだ。