アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

中国の皇帝・習近平

1018日から第19中国共産党大会が開催され、2期目の習近平政権が始まる。任期5年。「総書記」の称号に満足しない彼は「核心」の称号を獲得し、毛沢東並の「主席」と呼ばれ、やがて「皇帝」にのし上がるのだろうか。Napoleonが皇帝になったように。5年後の第20中国共産党大会においては、実質的「皇帝」が誕生するかもしれない。Napoleonは中国を「眠れる獅子」と表現し、「獅子が目覚めた時、世界が驚愕するだろう」と予言したが、習近平は、今こそ獅子は目覚めの時だと叫んでいる。
 
2013年には、シルクロード経済ベルトに21世紀海上シルクロードを合わせて「一帯一路」を提唱、陸上・海上両方からヨーロッパに至るまで中国の影響下に置く海洋強国建設を目指している。中国Laos414kmの鉄道を建設中で、Srilanka, Pakistanには自国の大型船が停泊できる巨大港湾の建設も実現した。経済破綻しているギリシャの港も中国の資金で改修した。中国の資金で建設してくれるなら相手国にとり依存はないが、その代わり優先的に使わせろという条件は付ける。一帯一路政策で中国の狙いは、政策・施設・貿易・資金・民心の5通を目指すという。中国帝国の傘下に入っていれば国家の安泰が保証されるということだろう。
 
2015年には日米のADBアジア開発銀行)に対抗してAIIBアジアインフラ投資銀行)を立ち上げ、資金的にアジア諸国の懐の中に入り込もうとしている。ADBの主要メンバー日米は中国の野望に対して懐疑的で、AIIBには参加していない。AIIBがアジア各国のインフラ整備の資金を拠出することで、アジアの人々の幸福と繁栄がもたらされ、ひいては中国人民及び世界の人々にも恩恵がもたらされるということだが、要するに発展途上国を金で支配しようとしているだけだ。これを習近平は大国外交と呼ぶ。
 
尖閣諸島近辺で石油資源埋蔵の可能性が指摘された1970年代頃から、中国は尖閣諸島を自国の領土と主張し始めた。日本側は尖閣諸島を実効支配しており、「中国との間に領土問題は存在しない」との立場を堅持している。2012年、日本政府は所有者・栗原弘行氏から20.5億円で買収し国有化した。納得いかないなら国際調停に持っていくのかと思いきや、勝ち目がないから国際司法裁判所には出ず、法律執行船を定期的に出して「紛争」の実績作りをしている。紛争のない状況で国際調停に持って行っても中国の勝ち目はないからだ。中国側は、航海家「鄭和」が、西洋に航海する時に記録した魚釣島という文字を中国固有の領土の根拠にしているようだが、航海家Columbusが発見した大陸が、Columbussponsorであったスペインに帰属すると決まったわけではない。

中国は、南沙諸島西沙諸島に造成した人工島に軍事施設を建設し、強引に自国領土(+領海)と主張するも、唯一の敵対する大国アメリカの軍艦船がFreedomof Navigation operation(航行の自由作戦)と称するイヤミをしかけてくる。尖閣問題でアメリカが出てくるようなら軍事的衝突は避けたい。核心的利益を確保するために日中衝突は構わないが、米中衝突は自信がないので避けるというのが中国皇帝の腹の中なのだろう。