松本智津夫死刑囚(63才、別名麻原彰晃)ら元オウム真理教の幹部7名の死刑囚が6日ようやく死刑執行された。これだけ多くの国民に迷惑かけた男らだから、なぜもっと早くに死刑執行しなかったのかと誰しも思う。オウム後継の疑似宗教団体がいまだにこの国で活躍しているので、彼らが刑務所に教祖様を奪還に行く可能性もあり、国家にとって警備の予算は単なる窃盗犯を収監する費用だけではすまない。さすが、わが国では、メキシコのように、仲間が刑務所の地下にトンネルを作って親分を逃亡させるということは起こらなかったが、相手は何をしでかすかわからない凶暴凶悪なカルト集団。刑務所もそれなりの対応をしておかなければならない。
松本死刑囚らオウム一族が悪事を働いていたのは1988年~1995年だ。宗教法人の隠れ蓑に乗じて好き放題の悪事を働いて、あたかもその後に出現したIS(Islamic State)のような独自の国を日本の中に作ろうとしていた。教祖・麻原彰晃以外の6人は、教祖が主犯とすれば共犯だが、社会に与えた影響が甚大で、積極的に犯罪を主導したということで、親分と同時処刑となったのだろう。中川智正・土谷正実・遠藤誠一の3人ははサリンの製造役、井上嘉浩は地下鉄サリン事件のCEO、早川 紀代秀は坂本弁護士一家殺害事件のCEO、そして、新実智光はオウムが起こした殺人事件すべてに関与したCOO。
来年は天皇も元号も変わる。恩赦もあり得るかもしれず、こいつらが間違って恩赦の対象となってしまえば死亡した29人(以上)の犠牲者の遺族、6,300人以上の負傷被害者などがたまったものではない。地下鉄サリン事件の被害者の半数は未だに目や鼻などの粘膜の障害で苦しんでいる。さっさと処刑してしまわないと誰も納得できない。松本死刑囚の遺灰をだれが引き取るかで、松本智津夫の遺族間でもめているようだから、この際、遺灰は海にばらまいて消すのがいいだろう。アルカイダBin Ladenの場合はイスラム教の伝統的な儀式の後、遺体に重りを付けて海に沈められた。オウム後継団体が教祖の骸灰を欲しがっていることもあり、親族の元に戻ればろくなことにならない。Bin Ladenに倣って水葬にしてしまったらどうだろう。
坂本弁護士一家殺害事件から5年もたって地下鉄サリン事件があり、ようやくオウムという破壊的カルト集団の実態が暴かれて、教祖以下の逮捕につながったが、その間、奴らに好き勝手な行動を許した日本の社会にも問題がある。新興宗教団体と反社会的勢力の区別がつきにくいうえに、思想信仰の自由を保証する憲法があるから、公安当局も確とした証拠をつかまない限り、宗教法人を取り締まることはできない。そこをうまく利用したのが松本死刑囚だ。
オウムの一般の信者は、教団の反社会的活動の実態を知らされていなかったとみえて、純粋に自分探し、居場所探しにオウムというカルト集団に入ってきて、浅原に洗脳されただけのようだ。ポアと言って、殺すことが救うに通じるとの屁理屈を説いていた教祖浅原には、これであなたの教えである殺すこと(死刑)によって善良な市民を救うことになりますと海に向かって報告させてもらいましょう。