アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

控訴取り下げ令和初の死刑確定

20158月発生の寝屋川市中学生男女二人の殺人事件犯は、昨年末大阪地裁判決で死刑を言い渡され、控訴していたが、先月18日、大阪高裁に控訴取り下げ書を提出、受理された。自分の言い分が通らず、破れかぶれの中でどうにでもなれと思い、控訴を取り下げたのだそうだ。これで改元後初の死刑が確定した。弁護士には相談せず、一言「さよなら」と書いたはがきを送ったという。
 
その弁護士が、その後、死刑囚の控訴取り下げ書は無効だ大阪高裁に申請したことが分かった。本人が死刑確定でいいと言っているのに、弁護士が勝手に取り下げ無効を申請するのは余計なお世話だと思うが、いずれ取り下げの効力について裁判所の判断が下されるだろう。死刑囚の命は死刑囚本人のものだから、代理人弁護士の考えは無視して、素直に判断すべきだ。
 
この事件は、夏休み中だった当時中学1年生の男子生徒と女子生徒が812日夜外出して、翌朝午前5時頃には、二人で寝屋川市駅のアーケード内を歩いていたことが防犯カメラの記録で判明している。その後、何らかのいきさつで山田浩二死刑囚(49才、当時45才)の軽ワゴン車に乗り、その日の内に殺害されたと推測されている。前科8犯のこの死刑囚は、凶器などの物的証拠がないことをいいことに黙秘を続けていたので、殺害場所・殺害方法などが明らかにできず、実際はどうだったのか知りようがない。しかし、検察は状況証拠で男による殺人事件を立証したのだ。
 
女の子の遺体は高槻市の駐車場で見つかり、男の子の遺体は柏原市の竹林で見つかった。この犯人については、9犯目の犯罪で終わりにしないと平和な世の中は実現しない。いわゆる累犯というヤツだが、今回の事件の直前は懲役12年で、出所して間もなくの出来事だった。
 
女の子の遺体には、30か所以上の切り傷があり、男の証言は「大声を出すので制止しようと思い口を押えていたところ、手がずれ込んで首を絞めていた。ショックを与えると蘇ると思いカッターナイフで傷つけた。」などと荒唐無稽な作り話を展開。男の子については、車内でけいれんを起こし、熱中症などの体調不良で動かなくなったなどと証言するも、二人とも法医学者の鑑定では絞殺されたと証明され、男の子については、頭部に殴られた時にできるような内出血もあったと明らかになっている。
 
殺意がないと証明されれば刑は軽くなる。男はそれを狙っていたが、裁判員も裁判官も男のでたらめを見抜き、大阪地裁は死刑判決を下した。窒息死するには、首を数分間絞める必要があり、判決では明らかな殺意があったと判断した。弁護人は男の発達障害までも持ち出し、心神耗弱状態での事件だと刑の軽減を求めたが、弁護側の主張は全面的に退けられた。
 
その弁護士が、男の控訴取り下げは無効と主張する。確かに人の命は地球よりも重いかもしれないが、前科9犯のこの男の命はさほど重くないと考えてもいいのではないだろうか。全く更生の余地なしの人間の命を抹殺することは、社会的善と考えてもいいはずだ。