アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

オウム死刑囚に動き?

死刑囚でも、他の容疑者に関する証言をしてもらう可能性がある場合には、死刑執行されない特典がある。現に17年間逃亡を続けた菊地直子46才)の証人として出廷したのは、井上嘉浩死刑囚47才)。既に死刑執行してしまっていたらこんなことは実現しないから、将来の証人候補として生きていてもらったのだ。人間の命は金銀財宝に勝る価値があるからここまではしょうがない。しかし、オウム関連の最後の幹部・高橋克也59才)の無期懲役最高裁で確定になったところで、もう証人出廷の必要性はなくなった。

思えば1988年頃から1995年にかけて、オウム真理教はありとあらゆる悪事を働き、最後は地下鉄サリン事件で尻尾をつかまれたのだった。勢力拡大を急いだ新興宗教の宿命なのかもしれない。教団執行部の意のままに動かない信者のリンチ・殺害事件は無数にあり、死体は勝手に償却してしまっているから正確な人数は未だに把握できていない。恐らく30人を下回ることはないだろう。他に、坂本弁護士一家殺害事件、松本サリン事件、VXガス襲撃・殺害事件(後の金正恩の兄殺害にヒントを与えた)、公証人殺害事件、東京都庁小包爆破事件、村井教団幹部刺殺事件、警察庁長官狙撃事件、池田大作サリン襲撃事件(殺人未遂)など、浅原の思う通りに事を進めるためには何でもやった。

地下鉄サリン事件などで死者29人、負傷者6,000人以上の被害を出し、ついに19955月、警視庁がオウム真理教本部のある上九一色村、第6サティアンに踏み込んで、教祖浅原(本名・松本智津夫)を逮捕した。宗教法人の隠れ蓑があり、外部の世界から隔離された本部でなんでもやってしまい、都合の悪い証拠は徹底的に消すとくるので、逮捕するには犯罪事実の証明が必要で、時間がかかってしまったようだ。

1988年頃から1995年まで、少なくとも7年間は極悪集団を自由に泳がせていたことになるわけで、現在のPhilippines大統領(Duterte)ならば、1989年には浅原を逮捕処刑していたであろう。このような極悪人物にまで罪刑法定主義などときれいごとを言っていては、迷惑をこうむる国民が多すぎるので、例外処置も必要なのかもしれない。

いつの時代も新興宗教は成長の過程で既存勢力と軋轢を生む。成長過程の創価学会について、僕の小さい頃にきいた話では、かなり汚い寄付を強要していたし、浅原ほど極端でなかったというだけで、大なり小なり似たような状況にあった。形式的に、精神面だけの脅迫であれば犯罪の立証は難しい。2,000年前のキリスト教も、当時のユダヤ教にとっては新興宗教であり、教祖は十字架に磔という拷問を受けたのだから、大変な苦労をして宗教を育ててきた。イエスの教えを信じて実践したばかりに、まだ命があるにもかかわらず早めに人生を終えた信徒は数知れない。

オウム関連の死刑囚は現在13名、もうこの世で証人の出番はないから、さっさと死刑執行してしまおうという雰囲気のようだ。死刑確定後6か月以内に執行されるべきところが、今まで長生きさせてもらったのだから、そろそろ、これ以上国庫負担で衣食住を賄う必要もないだろう。