アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

偉大なるシマウマのシマの謎解明

シマウマにはなぜシマ模様があるのか、百数十年前、ダーウィン(Charles Darwin)とウォレス(Alfred Russel Wallace)という英国自然科学の二大巨匠が論争を始め、終わるところを知らなかったが、ようやく米カリフォルニア大学(University of California, Davis)の研究チーム(Tim Caro 教授)がこの謎を解き明かした。

シマウマの生息域には、ウマ科の動物に寄生する吸血性ハエの「アブ(tabanid)」と「ツェツェバエ(tsetse fly)」の2種類が生息している。これらのハエが媒介する寄生虫により引き起こされる、アフリカ睡眠病(sleeping sickness)という感染症にかかると、人も動物も昏睡状態に陥り、やがて死に至る。特にウマ科の動物は、体を覆う毛が短く、この病気にかかりやすい。ところが、吸血性ハエは、シマ模様のある面を避け、色が均一な面に着地するのを好むということを、米研究チームは実験で明らかにした。ダーウィンの進化論は、ウマ科の動物であるシマウマが、これらの天敵・吸血性ハエの攻撃に対する防御のため、全身をシマ模様に変身させたことを証明した。

これまで、シマウマ進化論の仮説は以下5点に絞られていたが、どれ一つとして一貫性のある裏付けが見つかっていなかった。
1. カモフラージュ説(カモフラージュ効果により外敵から身を守るため)
2. 捕食動物の回避説(サバンナで「動きによる目くらまし効果」を発揮することで、ハイエナやライオンなどの捕食動物から身を守るため)
3. 体温管理説(シマ模様から熱を放射することで、体温が上がりすぎないように調節するため)
4. 社会的相互作用説(集団同一性を保つためなどの社会的役割説)
5. ハエの危害回避説(ウマ科動物は、吸血性ハエに悩まされる確率がかなり高い)

今回の発表により、「ハエの危害回避説」が確定、これでダーウィンもあの世でゆっくり休むことができるだろう。それにしても、ウマが天敵を避けるため全身シマ模様に変身するとか、地上に食べ物がなくなったので、海に食べ物を探しに行きやすいように元々の陸上動物がクジラに変身するなど、動物の進化は限りなく無限に近い。人間がこれからどのように進化するのか、大いに楽しみだ。