アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

新型コロナで中国包囲網

 米中の覇権争いが本格的米中衝突に突入したようだ。世界史の中で時代の変わり目にはよくあることらしいが、君臨する王者(覇権国)がいて、そこに挑む第二位の国家(新興国)が現れると高い確率で戦争になる。過去500年の世界史でこのような危機は16回あり、12回は戦争になったという学者がいる(史実に基づく戦争の確率は75%、米政治学者Prof. Graham Allison、80才)。1800年前後の王者・英国に挑んだNapoleon率いるフランス(フランスの勝利)、1870年頃の王者フランスに挑んだ新興国ドイツ(ドイツの勝利)など、新旧国家の交代には戦争がつきものなのだそうだ。第二次世界大戦で、覇権国米国に挑んだ日本も戦争に突入したが、結果は挑戦者の敗北。今回は米中の戦いだが、世界史の常で、当事者だけの戦いでは済まない。両当事者に味方する国があるからだ。

 

 Trumpはあと半年ほどの政治生命だが、自分が大統領でなくなる前に、中国を徹底的につぶしておこうと固い決意を持っているようだ。世界第二位の経済大国は中国に置き換わり、その中国が軍事力を増強して世界の王者になろうとしている。民主国家なら許せるが、一度も国民に選ばれていない独裁者が、Marx-Leninの共産主義すら実践していない中国共産党というやくざ集団を率いて、現覇権国を倒そうというのだから、Trumpとしても、民主党のJoe Biden次期大統領になっても、米国の対中政策は大きくは変わらないだろう。

 

 民主党共和党も中国に対する期待は一切持っておらず、全く異質の、話し合いすらできない相手と見抜いた。Obama大統領の時は、まだ話し合いの余地はあるとアメリカは余裕を持っていたようだが、もうその時代は完全に終わった。中国は民主主義の価値を一切認めず、東シナ海南シナ海での軍事活動を活発に行っている。米政権の報告書によれば、中国軍は日本の尖閣諸島奪還を目指す具体的計画を作成しているとのこと。道理で、中国国内における新型コロナの問題で大変な時も、ほぼ連日、中国海警局の武装公船が尖閣諸島周辺海域に出没し、時には日本の領海に入り込んで日本漁船を追い払っている。

 

 そのTrump米政権は、日・英・露・印・加・豪・韓・EUと連携して、大々的に中国を干そうと動き出した。これらの国は、全て中国発新型コロナウイルスの被害者という意味で、ある程度結束できる(とTrumpはみている)。5Gで一歩進んでいる中国Hua Wei(華為技術)は、資本主義国でいう一民間企業ではなく、国家が出資していて、中国軍と共産党が実質的に支配している隠れ国営企業だというので、米国は排除しているのだ。現に、Hua Weiが提供しているZoomというインターネット会議で、香港の国家安全法を非難する議論が始まると、なぜかZoomが使えなくなったと報告されている。中国にとって都合の悪い情報が流れるとHua Weiの技術には故障が発生するように仕掛けてあることが判明して、一度はHua Weiを受け入れた英国も遂に排除することになった。偽ブランド製造大国中国の知的所有権侵害、ウイグル始め各種の人権侵害・宗教弾圧、他国の大学・研究機関からの情報盗用など、もう許せないレベルになってきた。皆で力を合わせて挑戦者・独裁国中国を排除する動きが一気に加速することになった。

遂に出た中国共産党打倒宣言

 新型コロナウイルスの猛威は留まるところを知らず、世界では感染者700万人、死者40万人以上、しかも連日この数字は更新されている。最大の被害国米国は感染者200万人、死者11万(死亡率5.5%)、ブラジルは感染者67万人、死者3.6万(死亡率5.4%)、英国は感染者28.5万人、死者4万(死亡率15. 6%)となっている。どこまで増えればピークになるのか誰にも分からない。

 

 米・英・Brazilはもとより、ドイツ、インド、Australia, Egyptまで、これだけ甚大な被害をもたらした中国の責任を追及し、国家として(米国は一部州も含め)損害賠償訴訟を起こす(一部は既に起こした)と、ただでは済まさぬ権幕だ。各国の請求額を合計すると少なくとも数十兆ドル(数千兆円)になるというから、中国の情報隠蔽という過失が証明されれば、中国は破産するしかないだろう。中国が持っている米国債(1.1兆ドル≒120兆円)だけでも元本償還に応じなければ、米国は120兆円分はいとも簡単に賠償金を回収することができる。中国の企業や要人が海外に保有する資産を没収すると数十兆ドル(数千兆円)になるし、Trumpはもっと簡単な方法も検討していると発言している。

 

 そんな中で、6月4日、中国人元サッカー選手(Hao海東、50才)がYoutubeで「中国共産党打倒、新中国連邦宣言」を発表した。この日は、中国当局民主化を求める学生らを北京で武力鎮圧した天安門事件(1989年)から31年に当たり、香港も含めて中国共産党は新型コロナを理由に一切の追悼集会を認めていない。中国共産党全体主義統治が人権を無視し、民主を踏みにじり、香港で殺戮を行ってきたから、中国共産党の殲滅は正義にとって必要だと主張する。また、中国共産党新型コロナウイルスによって世界に生物化学兵器による戦いを発動したとも主張する。

 

 中国サッカー史上最も優れた有名な選手なので、彼の新中国連邦宣言は強烈な印象を与える。当然のことながら、間もなく中国政府は彼のaccountを消してしまい、Youtubeも中国で遮断されてしまい、Hao氏の発言に関する報道も一切禁止されている。但し、特殊なアプリを使えば中国内でも彼のサイト視聴は可能らしい。彼の新中国連邦宣言には、Steven Bannon(Trumpの前首席戦略管)や郭文貴(米亡命中の中国人元実業家)なども連携しており、Trumpも本腰を入れてこの動きを支援するのかもしれない。

 

 共産中国がまだ経済的にも、台湾に吸収合併されそうな弱小国だった頃は、中国を開放して自由を中国人に体験させれば共産党は終わると安易に考えていた米国だが、世界第二の経済大国になり、いまだに共産党一党独裁政治が続いているという事態は想定外だった。共産党の秀才に奨学金を用意して米国の一流大学で勉強させても、結果的に米国に敵対する中国人しか生まないとわかったTrumpは、これから中国人学生を米国から締め出す方針を打ち出した。その数8,000から1万人になるという。米中の戦いはこれから本格的に始まる。新型コロナの最大被害国米国としては何としても中国の息の根を止めなければならない。中国の感染者8.3万人、死者4,634人とうそぶいているが、共産党の支配が終わるまで真実はわからないようになっているのだ。

不思議の国の新型コロナ

 直近の新型コロナに関するデータ(米Johns Hopkins大学)によれば、世界の感染者は616万人を超え、死者は37万人を超えている。このデータが正しければ世界の致死率は6%ということになる。中国や北朝鮮のように明らかに虚偽のデータを提出している国もあるから、それほど正しい数字ではないかもしれないが、大体は把握できる。

 

 人口の多い国も少ない国もあるから、感染者数・死者数だけを見ても、単純には比較はできない。そこでJohns Hopkins大学(世界の感染症の権威)では、人口100万人当たりの感染者・死者数を出して比較している。主要国で100万人当たりの感染者の多い国は、①スペイン(6,100人)、②米国(5,421人)、③英国(3,997人)、④イタリア(3,841人)、100万人当たりの死者の多い国は、①スペイン(580人)、②英国(562人)、③イタリア(550人)、④米国(316人)となる。これら4か国の平均致死率は7.9%だ。自宅で死亡後、感染症の検査をせずに埋葬されたケースは含めていないから、実態は8%以上とみて間違いなさそうだ。

 

 それに対して、新型コロナ対策の優等生は台湾。感染者わずか442人(19人/100万人)、死者たったの7人(0.3人/100万人)。初期の段階から前回SARSの経験を活かして中国からの入国を制限、国外から帰国した者は14日間の強制隔離、違反者には360万円の罰金、マスクは健康保険で一定数全国民が薬局で買えるなどの政策を実施した。この陣頭指揮を担当したのは、Johns Hopkins大学で公衆衛生の博士号を取得した陳副総統、政治家の前に医学者だった。

 

 台湾は別格として、日・韓・NZ(New Zealand)の感染者数が少ないのが話題になっている。100万人当たりの感染者でみると、日本(132人)、韓国(223人)、NZ(301人)、100万人当たりの死者は、NZ(4人)、韓国(5人)、日本(7人)と、いずれも米・英・西・伊に比べて極端に少ない。NZは、2月になってすぐに中国からの入国を全面禁止、3月中旬には観光立国でありながらすべての外国人の入国を禁止し、同時に、巨額の国内事業者向け経済対策を実行した若い女性首相の手腕が買われている。韓国については、drive-in PCR検査の徹底やら、強制個人情報取得、強制私権制限、都市封鎖など国家権力を行使して抑え込みに成功したようだ。

 

 それに比べて、我が国は、私権制限はできない、パチンコ営業は自粛のお願いレベル(強制的に禁止できない)、感染者と分かっていながら夜行バスで勝手に移動しても罰則がないなど、憲法で保障されている自由をはき違えて行動する者もいながら、100万人当たりの感染者数・死者数共に米英西伊に比べて嘘のように少ない。感染者は韓国よりも少ない(死亡者数は韓国よりやや多い程度)。家の中で靴を脱ぐから、夜風呂に入るから、マスク着用に抵抗がないから、BCG接種を受けているからなどいろいろ原因は考えられるが、首相の指導力が立派だからという理由もなく、なぜこのような立派な数値が出るのか、海外では不思議の国ニッポンとみられているようだ。これから届くであろう一家2枚のマスクは(我が家にはまだ届いていない)、いずれ来る感染爆発第二波にそなえて、我が国の首相が、先の先の対策として、用意してくれているからなのかもしれない。 

 

     感染者

  /100万

    死者

  /100万

スペイン

    286,308

   6,100

   27,125

     580

米国

 1,816,820

   5,421

 105,557

     316

英国

    272,826

   3,997

   38,376

     562

イタリア

    232,664

   3,841

   33,340

     550

ドイツ

    183,294

   2,185

     8,600

     103

イスラエル

      17,012

   1,847

        284

       31

NZ

        1,504

      301

         22

         4

韓国

      11,468

      223

       270

         5

日本

      16,804

      132

       886

         7

台湾

           442

        19

           7

         0.3

 

ゴーン逃亡の実行犯逮捕

 昨年末(12月29日)、Carlos Ghosnが大型の黒い箱に隠れて、private jetで関空からトルコ経由レバノンに逃亡した事件の実行役3人のうち、2人が米国で逮捕された。元米軍特殊部隊(Green Berets)で活躍したMichael Taylor(59才)とその息子Peter Taylor(27才)だ。父Michaelは今年2月にDubaiから米国に帰国、子Peterは翌3月に同じくDubaiから米国に帰国、そしてPeterは今月20日発のBoston → London → Beirut (Lebanon)の航空便を予約していて、Lebanonに逃亡する当日の朝、FBIが逮捕した。この親子は逃亡のプロとして知れ渡っており、日本からの逮捕令状に基づき米当局が電撃逮捕、保釈条件なしで日本に身柄を引き渡すことになる。

 

 この大逃走劇ににつき、Ghosnが払ったお金は$2,000万(22億円)、東京地検が逮捕状を取っているもう一人の男はGeorge Zayek(ザイエク)、現在米国に滞在していないようで、Taylor父子が捕まったという情報を耳にしたら、当分米国には帰らずLebanonあたりに潜伏しているのが安全だと考えているだろう。22億円のうち、実費も相当かかっているだろうけれど、半分以上は3人の報酬だ。一生経済的に困ることはなかろう。

 

 息子Peter TaylorはGhosn大脱走劇準備のために昨年7月、8月、12月上旬の3回来日し、Ghosnの東京の住宅で少なくとも7回Ghosnと打ち合わせしている。そして、逃走日前日の12月28日にも再度来日して、Grand Hyatt Hotelで最後の打ち合わせ、この時、翌日Ghosnが一人でホテルに入れるように、カードキーを渡している。12月29日、Ghosnは自宅から徒歩でGrand Hyatt Hotelに向かい、Dubaiからprivate jetで関空に着いた父Michael TaylorとGeorge Zayekは新幹線で新大阪 → 東京に向かい、Grand Hyatt Hotelで4人が合流、Ghosnが着替えて4人一緒にホテルの部屋を出たとなっている。

 

 Peter一人は、成田空港から中国に向かい、父Michael TaylorとZayekは、Ghosnをつれて3人で品川駅へ向かい、新幹線で新大阪駅、そこから関空Star Gate Hotelに入った。22時、Star Gate Hotelを出て関空に向かう時は、自称ミュージシャンのTaylorとZayekが黒い大きな箱2個を携行していた。オーディオ設備と見せかけて一つの箱にGhosnが潜んでいたのだ。

 

 関空のprivate jet乗り場のX線検査は、巨大な箱に対応しておらず、Ghosnの潜んでいた大きな箱はX線検査を通過することなくPrivate jetに積むことができた。関空→Isbambul→Beirutとprivate jetを乗り継いで、まんまとLebanonに逃れたGhosnは、運悪く捕まったTaylor父子には感謝しているだろうが、充分報酬を払ってあるし、high risk, high returnという言葉もあるくらい、リスクがあることは彼らも知っての上のはずと、気の毒とも思っていないだろう。

 

 まだ、裁判が始まっていない自分の元腹心の経理担当重役だったGreg Kellyも、いまだ日本で囚われの身だが、彼も日本に年一度来るだけで、年俸2億円ほどの報酬を得ていたわけで、high risk, high returnと諦めてくれと思っていることだろう。商売にリスクは付きものだから。

検察庁法改正の問題

 新型コロナで国民の関心がそちらに集中している間に安倍政権は密かに検察庁法改正と称して、検察庁のトップ検事総長を官邸の言いなりになる人物に置き換えようとしている。検察官の定年を一般的に現行の63才から65才に延長すること自体に問題はないが、本日現在成立していない検察庁法の改正を先取りして1月にさかのぼり、黒川弘務東京高検検事長の定年を6か月延長すると閣議決定したのが問題だ。国家公務員には特例規定があって、半年間の延長はあり得るが、検察官には適用されないとなっていたにも拘わらず、検察官も国家公務員だからOKと法解釈を変更したと森雅子法務大臣、しかもこの解釈変更は記録に残らぬ「口頭決済」というから、およそ法律とかかわりを持つ人間(大臣)の発言とは考えられない。

 

 黒川弘務の何が問題か、それは、現稲田伸夫検事総長が7月に定年を迎えるため、後釜に黒川を持ってくるには、黒川の定年を半年延長して8月まで東京高検検事長に残す必要があるからだ。検察庁のNo. 1は検事総長、No. 2は東京高検検事長となっているから、それまで東京高検検事長の座に座っていなければ8月の黒川検事総長は実現しない。検察庁内閣総理大臣田中角栄をも逮捕する権限を持つ正義の味方だが、安倍政権の言いなりになるトップが検事総長になると、安倍晋三或いは自民党にとって非常に好都合だ。

 

 現に、稲田検事総長率いる検察庁は、現在、自民党の河井議員夫婦の選挙違反事件を徹底捜査しており、河合妻(案里)議員は恐らく連座制で間もなく議員失格となるだろうが、現金を配った河合夫(克行)議員については時間がかかるはずで、そのうち黒川検事総長が実現すれば、うやむやの中に葬られ、河合夫(前法務大臣)は無罪放免となるだろう。菅官房長官・河合夫議員・黒川は三位一体の仲良しグループだからだ。香典疑惑(公職選挙法違反)で経済産業大臣を辞任した菅原一秀議員や、カジノ汚職で収監中の秋元司議員など、自民党にはやばい議員がたくさんいる。森友学園の土地売却文書を改ざんさせられ自殺した公務員に訴えられている佐川元理財局長なども、その上司である麻生・安倍が擁護しなければならない。

 

 しかし、行政が司法の人事に介入するということは、三権分立を謳う民主主義を殺すようなもので、ついに我が国にもTrump出現となるようなものだ。大勢の検事総長経験者(検事総長の任期は2年)が法務大臣に「行政による司法の介入は絶対に許すべきでない」と署名を持ってきていて、野党も国会で検察庁法改正に断固反対と活動しているけれど、最終的には多数決で自民・公明の意見が通り、黒川検事総長が誕生するのだろう。昨年、韓国で文在寅の右腕といわれたタマネギ男(曺国/チョ・グク)法務部長官(法務大臣)が誕生したように(その後、辞任)。

 

 本来ならばこの2月で63才定年退職していたはずの男が、安倍政権のご厚意で検察庁トップの検事総長にさせてもらったのだから、匙加減を加えてくれないかと言われれば断ることはできないのが人情だ。ここまで来たら、我が国もTrump率いるアメリカ、Putin率いるロシア、そして習近平の中国にかなり近づくことになる。後世の歴史書には、安倍晋三の時代から日本の民主主義が間違った方向に進み始めたと解説するのかもしれない。

習近平に巨額損害賠償請求

 ドイツ最大の新聞「Bild」の編集長(Julian Reichelt)が、中国・習近平に対して、新型コロナウイルスにより世界を欺いた結果、ドイツが被った経済的損害が$1,650億(約18兆円)になると、同額の損害賠償を請求した。観光業、航空業、映画産業などを始め、中小企業の被害額も含まれる。習近平は、武漢で起こった新型coronavirusが極度に感染力が強いことを知りながら、隠蔽し、外部世界に知らせず欺いた。しかも、欧米の科学者、研究者たちが武漢で起こっていることに質問をしても中国は一切答えなかったと、損害賠償を要求する根拠を示した。

 

 新型coronavirusは海鮮市場ではなく、その近くのウイルス研究所から流出したとの情報もある(米Trump政権もその見方だ)。欧米の専門家が安全基準に問題あると以前から指摘していたのに、耳を貸さなかったからではないか。習近平の態度は、あまりにも高慢であり、自国民を監視して、抑圧するだけでなく、感染についての重要な情報をも抑圧することで全世界を危機にさらしたと主張する。現在のドイツの感染者数は16.6万人、死者7,000人。

 

 確かに、12月末の時点で武漢の医師8名が、SARSに似たcoronavirusに感染した患者が急増しているから皆さんも気を付けてくださいと情報をSNS上に流した途端、この医師たちは武漢の警察に呼び出され、「事実でない情報を発信、転載した」として、「社会秩序を乱す違法行為」をしたと認めた上、二度とやりませんと誓約させられ、訓戒書を渡されている。その時点で、医師たちは新型のcoronavirusの正体はわかっていなかったが、人から人に感染すると知っていたので、人々が知っておかなければならないとSNSで情報を広めようとしたのだ。中国政府系研究グループの論文では、「去年11月下旬には人から人への感染が始まっていた可能性がある」と発表しているものの、その後この論文は当局から削除された。

 

 武漢で見たことを正直にSNS上に投稿した者は、社会秩序を乱す違法行為をしたとして強制連行されるなど、監視国家丸出しの習近平独裁者に対し、ドイツ新聞Bildの編集長は、ついでに、「習近平よ、あなたは国家を監視によって支配している。監視制度がなければ、あなたは国家主席とはなっていない。国民の行動すべてを監視しているのに、武漢の新型coronavirusをきちんと監視することを怠った。ウイグル政治犯を完璧に監視できていてるのに、武漢海鮮市場の感染症を監視できないはずがない。」と続ける。

 

 編集長はジャーナリストらしく、習近平は、他国の知的所有権を盗むことにより中国は発展してきたが、若者に自由を与えなければ、中国発の斬新な発明はあり得ないとこき下ろした。米国Trumpも、このドイツ新聞編集長の主張に共感し、アメリカも中国に対し、損害賠償請求を準備していると呼応した。まだ請求額がいくらになるか定まっていないが、ドイツが請求した金額よりはるかに大きいだろうと述べている(米国の感染者121万、死者7万人)。アメリカは、別途、複数の州が独自に中国に損害賠償請求を準備しており、訴訟大国が、ついに習近平に対し法的に本格的に動きそうだ。新型コロナでTrumpも終わるだろうが、習近平も終わるかもしれない。

 

 

 

集団免疫は有効か?

 集団免疫(herd immunity)という発想がある。集団の半分以上がウイルスに感染したら、その人たちは免疫を持っているから、もうウイルスに感染することはなくなる。集団感染というのは、一人から2人~3人以上に感染して広まることだが、理論上50%以上の人たちが感染してしてしまったら、感染を移す対象は一人につき一人以下しかいないからもう大丈夫というものらしい。

 

 元々、集団免疫という概念は、ワクチンのない時代の、羊などの家畜に広まる伝染病からきているようだ。致死率100%でない限り、感染しても動物の自然治癒力で治るものがあり、自然に免疫をつけるから、弱い個体だけが死に、強い個体は生き残る。羊の数は減るが全滅ではないから、残った羊の子孫は疫病に強い羊になる。Charles Darwin自然選択説自然淘汰説のとおり、環境に適した個体が生き残る。遺伝子が確立的に変異を起こし、生存に有利な変異をした個体が生き残るのだ。人類も今まで、このような過酷な環境の中、各種のウイルスと戦って生き延びてきた。

 

 しかし、家畜が致死率10%の疫病にかかっても、人間の財産である家畜が10%減るだけだけれど、人間の疫病の場合、致死率2~3%といえども、相当数の死者が発生する。昨日の時点で、日本の感染者13,441人、死者372人(致死率2.8%)だが、このGolden Weekにみんながマスクを外して、旅行に出て街に出て活躍することにより、感染者がアメリカ並みの100万人になったとすれば、2万人ほどの死者が出ることになる。(アメリカは、現在、感染者100万人、死者数55,000人、致死率5.5%)

 

 人口の55%~70%が感染すると、集団免疫状態となり、疫病は収束する。なぜならば半分以上の人たちは免疫を持っているからだ。しかし、この理論を日本で実践すると、感染者が7,000万人ほどになれば自然に新型coronavirusは消滅するが、一方で100万人ほどの犠牲者が出ることになる。しかも、おびただしい数の重症患者が病院に殺到し、医療は確実に崩壊する。羊を飼っている英国が、当初、感染症対策を一切せず、集団免疫でいくと言っていたが、首相までが感染するに至り、この方針は撤回して、都市封鎖にかじを切った。それでも、英国の感染者数15万人、死者2万人だ。当初の方針通り進めていたら人口6,600万人に対して、感染者3,500万~4,000万人に達したところでピークに達し自然に消滅するところだったが、その陰で50~100万人くらい人口は減少したであろう。羊と人間の集団免疫は全く別物であることを英国は理解していなかった。

 

 今は、武漢市がもしかしたら集団免疫に近い状態になっているかもしれないと分析する感染症専門家がいる。人口1,100万人の武漢市で、公式発表は感染者50,333人、死者3,869人(致死率7.7%)だが、この数字を信じる人はこの世に一人もいない。武漢市の実際の致死率が1.4%と分析している香港の研究者の数字を信じるとして、もし、これまでの死者が4,000人だけと仮定すれば、感染者は約30万人となる。実際の死者の数は10倍~20倍といわれているから、今までに600万人が感染して8万人ほどが死んだとすれば、現在の武漢市には免疫を持った人が人口の半分以上いて、間違いなく集団免疫のできている、世界で一番安全な都市ということになるだろう。