直近の新型コロナに関するデータ(米Johns Hopkins大学)によれば、世界の感染者は616万人を超え、死者は37万人を超えている。このデータが正しければ世界の致死率は6%ということになる。中国や北朝鮮のように明らかに虚偽のデータを提出している国もあるから、それほど正しい数字ではないかもしれないが、大体は把握できる。
人口の多い国も少ない国もあるから、感染者数・死者数だけを見ても、単純には比較はできない。そこでJohns Hopkins大学(世界の感染症の権威)では、人口100万人当たりの感染者・死者数を出して比較している。主要国で100万人当たりの感染者の多い国は、①スペイン(6,100人)、②米国(5,421人)、③英国(3,997人)、④イタリア(3,841人)、100万人当たりの死者の多い国は、①スペイン(580人)、②英国(562人)、③イタリア(550人)、④米国(316人)となる。これら4か国の平均致死率は7.9%だ。自宅で死亡後、感染症の検査をせずに埋葬されたケースは含めていないから、実態は8%以上とみて間違いなさそうだ。
それに対して、新型コロナ対策の優等生は台湾。感染者わずか442人(19人/100万人)、死者たったの7人(0.3人/100万人)。初期の段階から前回SARSの経験を活かして中国からの入国を制限、国外から帰国した者は14日間の強制隔離、違反者には360万円の罰金、マスクは健康保険で一定数全国民が薬局で買えるなどの政策を実施した。この陣頭指揮を担当したのは、Johns Hopkins大学で公衆衛生の博士号を取得した陳副総統、政治家の前に医学者だった。
台湾は別格として、日・韓・NZ(New Zealand)の感染者数が少ないのが話題になっている。100万人当たりの感染者でみると、日本(132人)、韓国(223人)、NZ(301人)、100万人当たりの死者は、NZ(4人)、韓国(5人)、日本(7人)と、いずれも米・英・西・伊に比べて極端に少ない。NZは、2月になってすぐに中国からの入国を全面禁止、3月中旬には観光立国でありながらすべての外国人の入国を禁止し、同時に、巨額の国内事業者向け経済対策を実行した若い女性首相の手腕が買われている。韓国については、drive-in PCR検査の徹底やら、強制個人情報取得、強制私権制限、都市封鎖など国家権力を行使して抑え込みに成功したようだ。
それに比べて、我が国は、私権制限はできない、パチンコ営業は自粛のお願いレベル(強制的に禁止できない)、感染者と分かっていながら夜行バスで勝手に移動しても罰則がないなど、憲法で保障されている自由をはき違えて行動する者もいながら、100万人当たりの感染者数・死者数共に米英西伊に比べて嘘のように少ない。感染者は韓国よりも少ない(死亡者数は韓国よりやや多い程度)。家の中で靴を脱ぐから、夜風呂に入るから、マスク着用に抵抗がないから、BCG接種を受けているからなどいろいろ原因は考えられるが、首相の指導力が立派だからという理由もなく、なぜこのような立派な数値が出るのか、海外では不思議の国ニッポンとみられているようだ。これから届くであろう一家2枚のマスクは(我が家にはまだ届いていない)、いずれ来る感染爆発第二波にそなえて、我が国の首相が、先の先の対策として、用意してくれているからなのかもしれない。
|
感染者 |
/100万 |
死者 |
/100万 |
スペイン |
286,308 |
6,100 |
27,125 |
580 |
米国 |
1,816,820 |
5,421 |
105,557 |
316 |
英国 |
272,826 |
3,997 |
38,376 |
562 |
イタリア |
232,664 |
3,841 |
33,340 |
550 |
ドイツ |
183,294 |
2,185 |
8,600 |
103 |
17,012 |
1,847 |
284 |
31 |
|
NZ |
1,504 |
301 |
22 |
4 |
韓国 |
11,468 |
223 |
270 |
5 |
日本 |
16,804 |
132 |
886 |
7 |
台湾 |
442 |
19 |
7 |
0.3 |