アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

紀州のドンフアン事件

 いいことはおかげさま、わるいことは身から出たさび (相田みつを

 2018年5月24日夜、自宅で突然死亡しているのが発見され、後に死亡解剖で急性覚醒剤中毒死と判明した自称「紀州のドンフアン」こと野崎幸助(享年77才)。上の相田みつをの言葉は、彼に捧げるにはぴったりの言葉だろう。商売が当たって大儲けし、その金を4,000人ほどの女を買うのに使ったと豪語する男、離れ島で住んでいたらそんな金儲けができるはずがない。やはり、商品を買ってくれる客、金を借りてくれる客がいて初めて商売は成り立つのだから、儲けさせてもらっているのはお客のおかげ様だと、謙虚になるべきだった。

 

 最後に出会って、気に入ったから籍まで入れた女(戸籍上の妻)が、どうやら殺人犯らしく、先週4月28日、和歌山県警が東京都内で、女を殺人と覚醒剤取締法違反容疑で逮捕、和歌山県警田辺署に移送した。元妻・須藤早貴(25才)は札幌出身、夜の世界で働いてきて、友人のつてで紀州のドンフアンに紹介され、2018年2月彼と結婚する。お小遣い毎月100万円くれる約束だったそうだ。彼の大事にしていた犬が自分の少し前に死んでしまい、ついに自分も死んでしまうのは、「身から出たさび」としか言いようがない。

 

 金が欲しい若い女に、財力ある男が好きなようにして何が悪い、これは買春ではない、感謝の気持ちとしてお礼を渡しているだけだと居直る野崎、今回は運悪く命を落としたが、2016年2月には、デートクラブで知り合った女を自宅に連れてきて、6,000万円ほどの金品(現金600万+宝石類5,400万)を持ち逃げされる被害に遭ったたこともある。それでも女遊びは文字通り死ぬまで治らなかった。やはり「身から出たさび」と諦めてもらうしかない。

 

 同じ「身から出たさび」のアメリカ人の男が、2年ほど前、アメリカの刑務所で不審死をとげる事件があった。当初、「首吊り自殺」と報道されたが、その後死体解剖から「他殺」と訂正されるも、犯人は不明。その男はJeffrey Epstein(エプスティーン、享年66才)という大富豪、往時の資産は500~1000億円というから野崎の50~100億円の10倍ほど。野崎との違いはEpsteinの好みは10代の少女ばかり、マッサージ師として自宅に連れてきて性的サービスをさせる。米国では性的搾取目的の未成年者人身取引という犯罪(日本では児童買春)だ。数千人の被害者の大半は中学生、高校生、当然話が違うと親に訴えられることもしばしば、その際は、一人に$10~$20万(1,000~2,000万円)の示談金を払って解決していたという。

 

 それにしても、須藤早貴という女、ドンフアン死亡時間帯に野崎の自宅に、彼女しかいなかったというから、初めから一番怪しい。しかし、直接の証拠がなかなか見つからない。後に野崎自宅の掃除機から覚醒剤がみつかり、彼女の携帯電話を解析した和歌山県警が覚醒剤密売人と接触した証拠をつかんだそうで、今回の逮捕となった。県警はサンドイッチに覚醒剤を混ぜて食べさせたとみているようだが、女は野崎の仏前にサンドイッチをそなえていたというから、ドンフアンもあの世で、すべて自分の「身から出たさび」と納得していることだろう。

韓国人投資家に1兆円もはめられた金融プロ達

 アルケゴス投資会社(Archegos Capital Management)という聞きなれない会社に、世界の一流金融プロたちが、総額$100億(1.1兆円)を超える被害を被ったというニュースが金融界を襲っている。一番の被害者はCredit Suisseというスイス第二の銀行、損失額 $55億(約6,000億円)、二番目の被害者は日本の野村證券、損失額 $28.5億(約3,077億円)。野村證券はこの3月期で2,200億円を損失処理するとのこと。他の被害者は、米Morgan Stanley $10億(約1,100億円)、スイス最大の銀行UBS $8.6億(約930億円)、三菱UFJ証券 $3億(約330億円)、みずほ証券 $1億(約110億円)など。米銀City GroupやドイツのDeutsch Bankは被害額を査定中。唯一、米Goldman Sachsは真っ先に担保をすべて実行したから、実害は出ない見通し。

 

 アルケゴス投資会社は韓国人投資家Bill Hwang(57才)が2013年に設立した個人の投資会社(family office)だ。米国在住のHwangが、それまでのインサイダー取引などで稼いだ資金をつぎ込んで設立した。インサイダー取引とは、公表されていない情報を基に株式などを売買して利益を得る違法行為で、もちろん禁止されている。彼は、米証券取引委員会にインサイダー取引がばれて、2012年、$4,400万(約50億円)の罰金を払っている。更に、5年間正規の株取引禁止の処分を受けた。

 

 この男はレバレッジ(leverage)とかデリバティブ(derivative)などの特殊な投資方法で財を成した。自分が株の取引ができないとなれば、金融機関などに担保(保証金)を出して特定の株式を買わせるというやり方で、大手金融機関と取引を始める。金融機関は、担保さえ出してくれればこの男の言いなりになる。Baiduなどの中国株、Viacom CBSなどの米国株など10種類以内の株を集中的に買わせて、多い時では1.5兆円程の資金を運用していたという。

 

 だが、3月末にこれらの株が一斉に下がり、金融機関から不足分の追証(担保)提出を求められ状況が一変した。追証が出せないとなった途端、最大の貸し手だったGoldman Sachsが$105億(1.1兆円)の株を一日で市場に売却したものだから、軒並みHwang銘柄が暴落し、すべての取引先金融機関から追証を求められる。レバレッジというテコの原理で数倍の株を買わせていたのだから、追証を出す余裕はない。皆がHwang銘柄を市場で売却して損失を減らそうとするので、株価は限りなく下落する。手じまったところで、野村證券には3,077億円もの損失が出てしまったという。6,000億円もの損失を出したCredit Suisseでは、責任を取る形で多くの役員が辞任した。

 

 それにしても不可解なのは、世界の名だたる大手金融機関とあろうものが、得体のしれない韓国系の投資家の素性も調べずに、これほどの融資をするとは、浅はかすぎぬかということだ。インサイダー取引という違法行為で名の知れた男が、いくらいい条件で取引をすると言っても、乗るべきではなかった。しかし、金融機関も四半期ごと、半期ごとに定められた予算以上の利益を出さなければならず、うさん臭い人物の話でもおいしいと思えば乗ってしまう。Hwangは今回、振出しに戻ってゼロから始めるだろうし、野村證券などはもっと儲かる話を求めて動き始めているのだろう。

米ネズミ講の帝王獄死

 先週14日、米国の刑務所で一人の男が病死した。ねずみ講で世界136か国、65,000人以上を騙して7兆円($650億)もの金を集めた元投資家兼詐欺師だ。名前はBernard Madoff(バーナード・メイドフ)。大学を卒業するや否や、Bernard Madoff Investment Securities(証券投資会社)を設立、創業者社長として、しばらくは実績も上げ、業界では高利回りの配当をする有能な投資家とみなされてきた。New York在住の富豪たちは、彼にお金を預けると高配当が得られるというので、Madoffにはどんどん資金が集まった。

 

 最初は、投資が順調にいっていて、大手証券投資会社並みの配当を払うことができたようだが、規模を大きくしようと思うと、預かる資産を増やさなければならない。他の同業者よりも多くの資金を集めるには、同業者よりも高配当を約束しなければならず、それなりに研究して何とか高配当の原資ををねん出していたようだ。しかし、同業者にもプロ中のプロがそろっており、Madoffだけが神か予言者のようにいつも当たるとは限らない。資金を集めるには高配当が必要、ならば、新規に調達した投資資金を配当に回すと高配当の約束を果たしたことになり、翌年はもっと多くの資金を預けてくれる。こうして、集めた資金を約束の高配当に回し始めたのは、1980年代半ば頃からという。その頃から、Madoffの株・証券・債権等の運用は行き詰っていた。

 

 年間10%もの高配当を約束する夢のような投資話がいつまでも続くのはありえないが、彼はせっせと毎年彼に投資する資金を増やさせ、同時に約束の高配当を実行したから、全米の富豪たちはMadoffにお金を預ければ増やしてくれると、益々資金を預けるようになった。Madoffにしてみれば、当年の配当額相当分以上の新規投資があれば配当を払うことができるので、大富豪たちから新規の投資金を集めては、その金を原資に高配当を続ける。

 

 運悪く、2007年頃には、アメリカでは、住宅購入用途向けのsubprime loanが不良債権化して、富豪投資家たちもsubprime loanの焦げ付きから償還(払い戻し)を求めることが多くなり、新規投資額がなくなるばかりか、償還に応じなければならない事態になった。その時、既に預かった金はほとんどなく、2008年、ついに彼は二人の息子(Madoff証券投資会社役員)に、自分たちのやっているのはPonzi schemeというねずみ講だと打ち明ける。

 

 2009年、New York – Manhattan連邦地裁で投資詐欺罪(Ponzi scheme)により禁錮150年を言い渡されたMadoffは、7兆円ほどの預かり資金があったはずなのに、実際は20億円ほどの不動産を含め100億円ほどしか持っていなかった。彼の二人の息子は、長男Markが2010年自宅で首つり自殺(46才)、次男Andrewは癌で2014年死亡(48才)。日本の被害者リストには、野村證券あおぞら銀行住友生命保険、三井住友生命明治安田生命あいおい生命保険太陽生命保険、日本興亜損保富国生命保険などがある。しかし、無理もない。世界の大手金融機関が皆騙されたのだから。Royal Bank of Scotland、BNPパリバ、Banco Santander、etc., etc. 夢のような投資話は夢にしか出てこないと我々は知るべきなのだ。

飼犬には飼主の命を救う習性がある?

  先月16日(火曜)早朝、カナダOttawa市で犬(名前はClover)と散歩中の女性が突然心臓発作を起こし、道端に倒れてしまった。体重50kgほどの犬(sheepdog種、1才半、女の子、立ち上がれば飼主の肩くらいに届く)が、突然道端で倒れ動かなくなった飼主を見て、とっさに緊急事態と判断し、飼主が握っていたリードを力ずくで飼主の手から放し、道路中ほどに立ちふさがった。そこに通りがかったトラックの運転手(Dryden Oatway 、21才)が、犬に進路を妨害され、トラックを止めて降りてみると、犬が、倒れた飼主の方に合図した。運転手は、倒れている女性を救助すべく、近くを歩いていた通行人と協力して救急車を呼び、女性は救命処置のおかげで命が助かった。

 

 写真から想像される女性(Ms. Haley Moore)は20代か30代、彼女の家族に緊急事態を知らせなければならないと、この犬はその後自宅まで走り、大声で狂ったように吠えながらドアをノックした。何事かと外に出た両親(Diane & Randall Moore)が急いで犬の後をついていくと、救急車の中で救急隊員の治療を受けている娘の姿があった。犬、トラック運転手、通行人(Danielle Pilon)の連係プレーのおかげで娘は幸運にも一命をとりとめた。Cloverは、飼主Haleyとは姉妹と思って慕っているようで、世にも珍しい人命救助犬の実話が、カナダでは大きなニュースになっている。

 

 よく似た実話が日本にもあった。2016年4月26日18:30頃、千葉市稲毛区宮野木地先で、「徘徊している犬を保護した」と、通行人から110番通報があり、宮野木交番の警官(当時50才)が駆け付けた。犬のリードをつかむと、その犬は、通報者の女性らとともに警官をどこかに案内するかのように引っ張ったため、彼らは犬が案内するままついていった。100mほどついていくと、犬は民家の玄関でお座りした。警官が窓に近づいてみると、家の中からうめき声がきこえたので、窓から中を確認すると、ベッドにもたれかかるように倒れている飼主(横島敏雄さん、当時68才)を発見した。

 

 緊急連絡を受けた救急隊が処置を施し、骨折していた飼主は市内の病院に入院し、その後回復したとのこと。警官を自宅に案内し、飼主の緊急事態を知らせた犬(雑種、女の子)は、8年前に千葉ポートタワーの近くで拾われたのだという。お手柄犬には千葉北署長からご褒美のドッグフードが贈られたという。

 

 実は、このような、犬が苦しんでいる飼主を救おうとする行為は、訓練を受けなくても習性として備わっているという米国Arizona State大学の研究チームの研究結果が2020年6月、PLOS ONEというジャーナル(Pet dogs (Canis lupus familiaris) release their trapped and distressed owners: Individual variation and evidence of emotional contagion (plos.org))に発表されている。犬60匹とその飼主60人を対象に実験したもので、飼主が大きな箱に入って「助けて!」と叫ぶ場合と静かに読書をしている場合を比較し、飼犬が飼主に緊急事態発生と判断した場合は、蓋の衝立を無理にこじ開けて飼主を助け出そうとする行動をとるのだそうだ。犬の習性とはいえ立派なものだと感心する。

ミャンマーは第二のシリアになるのか

 ミャンマーでクーデタが発生してから2か月になるが、情勢は最悪に向かいつつある。アウン・サン・スーチー(Aun San Suu Kyi)国家顧問を蹴落として権力を握ったのは、国軍トップ(最高司令官)のミン・アウン・フライン。2017年8月、日本財団の招待で来日し、時の首相安倍晋三を表敬訪問した男だ(当時の肩書は軍司令官)。この国では、長い間、軍事政権が続いていたが、5年前ようやく選挙に基づく民主政権が発足、それを機に外国との交流も正常化してきていたのに、また軍が政権を奪取してしまった。クーデタに反発する市民のデモに対し軍部・警察は容赦なく発砲し、既に500人以上の犠牲者を出している。これは10年前のシリアを思い出させる。

 

 民主化を求める市民のデモにアサド政権は銃口を向け、この10年で40~50万人が死亡、500~800万人の難民を生んだ。自国民にクラスター爆弾化学兵器などを使い、極悪非道の限りを尽くして、オバマ大統領からも最後通牒を突き付けられながら、ロシア・イラン・中国などを味方につけて国際社会の一致した非難をはねのけ、いまだに自分たちだけ生き延びている。イラクの人口の3分の1は難民になったとの情報もある。民主化を求める国民の力とはこんなに弱いものかと知らされる。ロシア・イラン・中国などのならず者国家がなければ、国連が主体になってアサド政権を倒すことだってできたはずだが、今の国連の制度では、国連主体の軍事行動は起こしにくい。

 

 ミャンマー国軍の残忍な暴力行為についても国際社会はまとまらない。中国は今回のクーデタを内閣改造程度に理解し、もともとアウン・サン・スーチー氏の民主政権を厄介者と思っていた節があって、日米欧等と仲良く付き合うのを快く思っていなかったから、このクーデタを機にミャンマーが中国になびいてくれればちょうどいいと思っていたのだろう。それに、習近平にとって、国民に銃口を向けて自由をはく奪するのは、日常茶飯事で、人権侵害とも何とも思っていないから、ミャンマー国民が気の毒なんて感情はゼロだ。

 

 米英欧(EU)は、早速、ミャンマーの軍事政権の資金源を断つべく、先週、軍最高司令官など11人の個人資産を凍結、渡航禁止にし、更にミャンマー国軍系企業2社を制裁対象に指定した。MEHL (Myanmar Economic Holdings Ltd.)とMEC(Myanmar Economic Corp.)の2社だ。この2社は銀行やホテル、製鉄など幅広い企業を傘下に持ち、国内経済に強い影響力を持つ。株式は国防省のほか、クーデタの首謀者ミン・アウン・フラインら国軍の現役、退役幹部らが個人で保有している。彼らとこの2社が米英欧に保有する資産は凍結され、国軍の経済的利益をはく奪することにより、国軍による残忍な市民弾圧のための資金源を枯渇させるのが狙いだ。

 

 例によって中国が今回のクーデタの首謀者とつるんでいるとの情報もあり、中国はミャンマーの軍部を擁護していて、国連安保理で一致した制裁は課すことができない。ミャンマー最大の経済援助国は日本だが、日本政府も「お気の毒」という感じだけで、軍最高司令官に強く圧力をかけるようなことはしていない。そうこうしているうちに、毎日、何十人ものクーデタ反対を叫んでデモをしている市民が殺されている。日本政府はもっと強く軍部に抗議すべきだ。

中国対G7(日米豪印英仏独)

 国際協調方針に戻った米国が中心になって、中国包囲網ができつつある。日米豪印のQuadに加えて、英仏独も対中国軍事同盟に加わることになったからだ。来月には、日米豪印仏5か国が、とりあえず、インド沖ベンガル湾海上共同訓練を実施する。夏までには英国も空母打撃群を南シナ海に派遣する予定で、それにドイツも加わることになっているから、まずは7か国による軍事同盟が確立する。人権派のMacron仏大統領は、ウイグルの人種撲滅(genocide)は絶対に許せないといい、英国は、香港の民主派弾圧は一国二制度国際公約違反だと非難する。ドイツも新型コロナで打撃を受けたのは中国の秘密主義が原因だと、英仏に追随する。

 

 選挙もなく、独裁者が支配する地球最大の国、中国。理論上の支配者は中国共産党だが、その実態は習近平個人だ。中国は一応「国」だが、国家と言えるかはなはだ疑わしい。憲法の「序言」に「毛沢東をトップとする中国共産党が革命により中華人民共和国を樹立した」と記載あるのみで、中国共産党が国家機関である旨の記載はない。革命軍団である中国共産党が国家を支配しているため、独立しているはずの三権(司法権立法権、行政権)も共産党支配下にある。実質的には、習近平が一人で三権を握っているわけで、これは近代国家とは言えない。(古代卑弥呼の時代はこれでもよかったのだろう。)

 

 14億の中国人に不満があっても、意見表明の機会は与えられない。SNS等の発言の場も100%共産党に監視されているから、少しでも独裁者習近平に不都合な情報はすぐに消去される。過去に、習近平パナマの秘密口座に多額の預金を持っているという情報がドイツの新聞で暴露されたことがあったが、これも中国国内ではすぐに消去されてしまい、今では「習近平パナマの秘密口座」というのは偽情報(fake news)として扱われている。もちろん、その後、彼の秘密口座はパナマから別の租税回避地(tax haven)に移されているのだろう。

 

 習近平は他国の弱みに付け込むのを得意とする。Australiaが新型コロナの発生源を厳密に調査せよと叫ぶと、すぐさま豪州産品を輸入禁止にする。牛肉、ワイン、エビ(lobster)などすべてだ。中国に頼っていた業者は強烈な打撃を受ける。しかし、救う神あり、豪州産ワインにFreedom Wine(中国にない自由のワイン)運動が起こり、新たな友好国が受け皿になってくれた。中国は台湾産パイン(pineapple)の輸出の90%を輸入してきたが、台湾が米国と仲良くして中国に反発するので、パインの輸入を禁止した。困るはずの台湾パインにはFreedom Pineapple運動が始まり、間もなく友好国に全量輸出され台湾の農家は実害を免れた。台湾産pineappleを輸入禁止にしたおかげで、中国のpineapple価格は3倍に上昇、結局被害を被ったのは台湾の農家ではなく、中国の消費者(国民)であった。自国民が苦境に陥ても、中国共産党はへっちゃらなのだ。

 

 日米豪印英仏独のG7は、共同で習近平に外圧を加えることにより、中国共産党内部の本質的矛盾から党が分裂し、独裁者に冷遇されている党幹部連中が習近平排除に動くだろうと予想しているのだろう。G7の軍事行動を触媒に、革命は内部から起こらなければならないのだ。

ムン・ジェインも同じ運命をたどるか

 韓国大統領は任期5年、再選禁止なので、一度当選すると次のチャンスはない。だから、在任中に一生分の財産をためる必要があり、絶大な権力を用いて悪事を働く。現職の文在寅ムン・ジェイン)も先輩に倣って同様の汚いことをやってきたが、来年5月で任期となる前に、自分を攻撃してくるはずの検察を改革しておいて将来の布石にしようとした。ところが、その検察トップ尹錫悦(ユン・ソギョル、60才)が、ムン・ジェインに対する抗議の意思表示として検事総長を辞任、来年3月の大統領選挙に出ると発表した。そして、最近の世論調査で次期大統領に最もふさわしい人物が他でもないこの前検事総長(支持率28%でトップ)となったから、この状況に最も恐怖を感じたのはムン・ジェイン現大統領である。

 

 現在韓国では土地公社関連の不正蓄財とその結果として住宅価格の暴騰が起こっており、失業が増加の一途をたどる中、運良く職についている国民ですら、いくら働いても住宅が手に入らないほどになっている(15~29才の実質失業率は27%と推計)。ムン・ジェインが大統領になってからすでに土地、住宅価格は2倍になっており、人口の4分の1が住むソウルで住宅を買うには、借入金の上限が40%となっているため、60%の現金を用意できなければ自宅を所有できない。金持ちの子以外の多くの国民は、いつまでも二級市民として家なき子として生涯を終えることになる。ムン・ジェインが登場して、格差は永久に固定するとの不満が蔓延している。

 

 そのムン・ジェイン一家の不正蓄財・土地不正取引も暴かれてきた。彼は、来年退職後に私邸を建設する予定の梁山市に14.7億ウォン(1.4億円)をかけて3,860㎡の土地を買ったが、半分は農地、有実樹などの栽培という虚偽の農業経営計画書を提出して違法に安く農地を入手、そして今年の1月に、「地目変更」を申請し、宅地の許可を受けていたことが野党議員の暴露でばれてしまった。提出された農業経営計画書によれば、大統領とその妻の営農経歴は2009年から2020年まで11年間と申告されている。もちろん畑で自耕する大統領や妻を目撃した人は一人もいない。文大統領の娘が2年前に購入した住宅を最近売却し、1.4億ウォン(1,350万円)の売却益を得ていたとの事実も発覚したが、タイに居住する娘(非居住者)が合法的に住宅を買うことはできない筈、親の権力を利用して不法に入手したと非難されている。

 

 文大統領の義弟による不動産不正疑惑も持ち上がっている。2002年から8年間、開発制限区域の土地を購入して韓国土地住宅公社から47億ウォン(4.5億円)の土地補償差額を手にしたという。その公社社長は、現在、文大統領の国土交通大臣として、不正土地取引の実態「調査」を指揮する立場だ。歴史を振り返ると、前大統領パク・クネ(朴槿恵、在任期間2013~2017年)、イ・ミョンバク(李明博、在任期間2008~2013年)2代続けて在任中の不正蓄財等で懲役刑になっており、現在仲良く刑務所で暮らしている。ノ・ムヒョン盧武鉉、在任期間2003~2008年)は大統領退任後、不正蓄財疑惑で検察の事情聴取さ中、自殺したし、チョン・ドゥファン(全斗煥、在任期間1980~1988年)は不正蓄財等で死刑判決を受けている。ムン・ジェインも退任後の居所は刑務所になるだろうから、私邸を建設する予定地は、相場の高いうちに売却してもよいだろう。