アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

史上最も危険な男の嘘2.6万回

 この世に正直な政治家はいない。仕事柄、事実と異なることを話さなければならないこともあるからだ。良い意味では、国の安全を確保するため事実に反することを言う、一般的には保身のため(安倍晋三の如く)事実を隠して嘘を言う。ところが、20日に4年の任期が切れる米大統領Donald Trumpの嘘というのは、そこいらの政治家の嘘とは桁外れ、Washington Post紙の計算では4年弱で26,000回ほどの嘘・虚偽の発言をしたという。単に売春婦に口封じの金は払っていないという個人的なものから、誰でも調べればわかる統計上の数字まで嘘で固めている。コメディアンがテレビで間違った発言をしてもさほど危害はないが、大国の大統領は話が別だ。

 

 Donald Trumpが大統領になって間もなく、米国の精神学者・心理学者は、この男はサイコパス(psychopath、精神病者、性格異常者)だとか、ソシオパス(sociopath、社会病質人格障害者)だとか、ナルシシスト(narcissist、自己愛性人格障害者)などと診断し、大統領職に就くには非常に危険だと警告してきた。運悪く、得票数では勝っていたのに、Hillary Clintonが選挙人の数で負け、この男が2017年1月20日大統領になってしまった。その結果が先週のクーデター未遂事件まで続いているのだ。

 

 サイコパスの特徴は①平気で嘘がつける、②根拠のない自信を持ち、自画自賛をする、③自分に利をもたらさない人は人として扱わず、罵詈雑言を浴びせる、④人間関係は全て利害関係に矮小化するなど。ソシオパスもほぼ同じで、この男の姪(Mary Trump、55才、臨床心理学者)が昨年発売した"Too Much and Never Enough"(邦題「世界で最も危険な男」)という本の中で「彼が大統領を2期務めれば、米国の民主主義は終わる」と警鐘を鳴らした著者も、近くで見ていた「叔父」を社会病質人格障害者と分析している。(邦題を「世界で最も危険な男」としたのは、先見の明があったと言うべきだ)ソシオパスは①共感性を持たず、②息をつくようにすらすらと嘘をつく、③善悪の区別に無関心で、④他者の人権を意に介さず平気で踏みにじる。両方ともDonald Trumpにぴったり当てはまる。

 

 自己愛性人格障害者(narcissistic personality disorder)の特徴は①自分はかけがえのない存在だという思いが強すぎる、②批判されることを極度に嫌う、③うまくいかない責任は他者に転嫁する、④幼児性・子供っぽさなどと言われる。不安や失意の反動として嘘を平気で言う(fake newsを流す、事実を指摘されるとfake newsと反論する)のは、Trumpの言動とばっちり一致する。要するに、この男はサイコパス、社会病質人格障害者、自己愛性人格障害者の複合体なのだ。

 

 一度もゴルフトーナメントで優勝したこともないのに、16回優勝したと吹聴するのはほぼ無害だろうが、「マスク着用者の85%が感染する」などとCDC(疾病対策センター)発表の正反対のことを米国大統領として発言するのは非常に危険だ。しかも、まだ大統領の任期が4日ほど残っているがその間に、核のボタンを押す権限を持った男が何をしでかすか予測できない。史上最も危険な男が残り4日間何を企んでいるのか、良識ある米国民は神のご加護を祈って過ごすしかない。