アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

大統領経験者の起訴、史上初

 Donald Trump、3月30日遂にNew York州大陪審に起訴された。大統領経験者が起訴されるのは、米国史上初であり、犯罪者Trumpを立証する長い道のりが始まったばかりだ。悪事がばれた時点で、Richard Nixonのように大統領を辞任すれば起訴されることもなかったのだが、選挙で負けても結果を受け入れず、「票が盗まれた」などとでたらめなことを吹聴して、支持者に議会を襲撃させる。こんな往生の悪い男は、二度と大統領になってはならず、金の力で何でもなると信じて一生を終えてもらっては困る。

 

 この男は34の重罪で起訴されたと報道されている。2016年大統領選挙で、自分の過去の悪事を隠すため、金を使って口止め料(hush money)を払ったというもの。著名なポルノ女優との過去(2007年の出来事)を暴かれないように、口止め料$13万(1,700万円)を払い、それを自身の会社の経理上「経費」(弁護士費用)として書類を改ざんした。このポルノ女優、Stormy Daniels(芸名)に直接金を払ったのは、Trumpの当時の弁護士Michael Cohenだが、この弁護士は、自分の罪を認め、禁錮3年を言い渡され、実際に3年間の刑務所暮らしをしたのだ。にも拘らず、Trumpは、これはでっち上げだと否定している。無限に嘘だと繰り返し主張すれば、何でも嘘になると信じているようだ。

 

 他にも、不倫関係にあった別の女性に、口止め料として$15万(1,950万円)を同様のルートで払っており、さらに、自分に婚外子がいることを口外するなと口止め料$3万(400万円)を払ったドアマンにも、同様のルートで資金が動いていて、Trumpの会社の帳簿上は全て経費(弁護士費用)扱いに改ざんした。

 

 私企業の経理を改ざんした程度では大した「重罪」とは言えないが、民主主義の国、アメリカで、選挙民が自分たちの代表である大統領を選ぶのに、候補者の人柄がわかるように真実を伝えなければならず、金の力で悪い情報を隠蔽することができるなら、それは民主的な選挙にはならない。大陪審が問題にしているのはTrumpの不倫ではなく、選挙に都合の悪い情報を金で隠蔽する行為が重罪だと指摘しているのだ。選挙民を欺いてはならないからだ。

 

 Trumpは、34の罪すべてがでっち上げで、2024年の大統領選挙で自分を落とそうとする民主党の悪だくみだと主張し、自分は一切、犯罪を犯していないと居直っている。大陪審のやっていることは「魔女狩り」(witch hunt)だなどと、とぼけたことを言っているが、大陪審側も充分証拠を固めて起訴しており、大ウソツキがどこまで白を切ることができるか、大いに見ものだ。