アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

オリンピック効果

2020年東京オリンピックパラリンピック開催が決定した。失われた20年といわれるデフレ下の日本経済にとって干天の慈雨、待ちに待った救世主のようだ。Madrid, Istambulを相手に戦ったのだから、冷静に見れば敵失というか東京の方が圧倒的に有利と思われたが、結果が出るまではいろんな情報が飛び交い、挙句の果てには、日本は放射能汚染水問題が致命傷とまで言われるに至った中で勝ち取った金メダルだ。

東京・Istambul決戦投票に参加した国際オリンピック委員会の委員数は96人。欧州・アジア・アメリカ大陸・アフリカ・大洋州から一定数の委員が選ばれている。全員生身の人間だから、公明正大な投票なんてありえない。商売の世界よりかなり汚い、生臭いものであることは、過去何人もの委員が汚職で辞任したり追放されたりしていることからわかる。しかも、辞任・追放に至らず任期を全うした者の数は半端ではないだろう。前会長のサマランチなどは汚職の典型だが、うまいこと立ちまわり、任期を全うした一人だ。このような人間たちを相手に、脇から近付き、後ろから甘い言葉をかけ、最後は表舞台から正々堂々と東京開催の利点を訴える。招致委員会の方々のご苦労は並大抵ではなかったと想像される。

東京都は2013~2020年の7年間で国内経済にもたらす直接の経済波及効果を約3兆円と予測、約15万人の雇用を創出すると見込む。一方、証券会社の経済予測専門家は、観光産業、国土強靱化計画などにより日本経済に及ぼす最終効果は100-150兆円とはじく。冷静な経済学者は1964年東京五輪の時の我が国は発展途上国であり、経済波及効果が大きいのは発展途上国で開催する場合に限ると水を差す。しかし重要なのは、この7年で経済効果がいくらになるかを正確に予測することでも予言することでもない。今回の東京五輪決定をてこに、今の不況に終止符を打ち、「日はまた昇る」日本経済を取り戻すことだ。

今回の東京五輪誘致活動により、国際社会で発言する能力向上の必要性を実感させられた。「沈黙は金なり」などと言っていては、東京五輪は実現しなかったはずだ。英語で、フランス語で、海千山千の委員たちに我らの情熱を伝えなければならない。アメリカの高校ではずっと前からやっている討論の授業など、日本の高校でも取り入れるべきではないか。

一向に収まる気配のない原発汚染水問題について、首相が「制御下にある」と公言したのだから、一刻も早く本当に解決しなければならない。一日400鼎涼浪漆紊原子炉建屋に流れ込むのを完全に遮断することなど物理的に不可能だから、首相の公約を守るには、制御不可能な原発自体をやめる方向に進むしかない。国際オリンピック委員会の新委員長の国ドイツは2022年までに原発を撤廃する。この決定をさせたのは福島第一の原発事故だ。事故を起こした我が国がそれにも懲りず、原発を継続しようとするのは愚の骨頂だろう。新委員長に対し、我が国も、遅まきながら本当に脱原発を決定しましたと報告できるようになってほしいものだ。