アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

FIFAトップに迫るFBI

FIFA会長選で無尽蔵に金をばらまき、5選を果たしたばかりのSepp Blatter79才)が、4日後に辞任を発表した。自身が会長職に留まるほうが、FBIの捜査上有利な立場になれるとの読みで5期目を狙ったはずだが、FBIの捜査は既に自分自身に向かっていると観念したのだろう。527日、現役のFIFA副会長二人を含むFIFA幹部8人が、FBIとスイスの警察により逮捕された時は、巨額わいろ事件は自分とは無関係を装い、「今回の醜聞は前代未聞」とか「関与した者はサッカー界から追放する」「サッカー界における誤った行動を正していく」などといい、FBIの捜査を歓迎するかのような発言をしていた。会長の監督責任については、「私が(理事)全員を常に監視することはできない」と言い逃れをしていた。
 

しかし、元副会長や現副会長などの組織的巨額賄賂がFIFAという組織のトップの指示乃至了解なしにどうしてあり得ようか。FBIは、今回逮捕した8人の幹部からもBlatterが深く関与していた証拠を得ようとしているはずだ。FBIはこれら外国人の犯罪を、米国の組織犯罪取締法(RICO = Racketeer Influenced andCorrupt Organizations Act)又は旅行法(Travel Act)を根拠に処罰しようとしている。米国の銀行を経由して資金洗浄しており、最高20年の拘禁刑と不正に得た金銭全額のみならず、個人の有する資産すべてを没収するという罰則がある。だから、しゃべる代わりに罪を軽くしてやるという取引が成り立つ。せめて自宅だけでも残してほしいと願うなら、Blatterがどのように関与していたか詳細に話して、証拠を出さなければならない。

 
以前からBlatterらを「大泥棒」と呼んではばからない元Argentinaのサッカー選手Diogo Maradona氏は、今回のFIFA会長選挙でBlatter再選阻止を目指してロビー活動をしていたが、いかんせんBlatterの資金力の前では、彼は無力だった。何としてもこの生涯独裁者を引きずり下ろしたいと願っていただけに、辞任ときいてFBIの努力に涙を流さんばかりに感謝している。元Portugalのサッカー選手Luis Figo氏も今回の会長選に自身が立候補していたが、1週間前に資金力の差から見込みないと撤退したところだった。
 
欧州サッカー連盟UEFA)のMichel Platini会長は、今回のFIFA会長選が始まる直前まで、Blatterに対して「降りろ」と忠告していたが、Blatterは「時間がない」との理由で、友人の忠告をきき入れなかった。2018年のWorld Cup開催地ロシアは賄賂で勝ち取ったことが暴露されつつある。負けた英国が静かに引き下がるはずがない。既に莫大な賄賂を払っているロシアも諦めるわけにいかない。Blatterが辞めても正義を求める戦いは続く。