アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

13才女子スケボー選手が金メダル

 今回の東京オリンピック新種目スケートボード・ストリートは、男子の部、女子の部共に日本人の若者が金メダルの快挙に輝き、コロナでやや暗くなっていた社会を明るく照らしてくれたようだ。男子の部で金メダルを獲得した堀米選手(22才)は、聞くところによると、スケボーの本場アメリカに活動の拠点を移して活躍しており、今回、銅メダルを獲得したアメリカ人Jagger Eaton(20才)と世界王者を争う腕前との評判だったそうだ。

 

 女子スケボー・ストリートの部では、日本人選手が金メダル・銅メダルを獲得、大活躍だ。この種目の日本人選手は、世界ランク3位の西村(19才)、5位の西矢(13才)、11位の中山(16才)と逸材が揃っており、日本はオリンピック決勝に3人出場した。結果は、史上最年少の松原中学2年西矢モミジ選手が金メダル、ブラジルの同じく13才が銀メダル、そして高校生の中山選手が銅メダルと日本にとっては夢のようなことになった。(西村選手は8位、但し、世界で8番目に上手ということだから大いに誇りを持っていい。)

 

 13才で金メダルときいて、思い出すのは、Barcelona Olympics水泳200m平泳ぎで金メダルを取った岩崎恭子、当時14才になったばかりの中学生。僕はたまたま1992年Barcelonaに住んでいたので、日本選手団との懇談会に参加させてもらったのだけれど、柔道で金メダルの予定だった「柔らちゃん」こと谷亮子が、決勝戦で、思いがけず地元スペイン人選手に負けて銀メダルになって、みんながっかりしていた中で、メダルなんて期待すらされていなかった中学生(スペインに入国した時はまだ13才、オリンピックの最中に14才になった)が金メダルを取ったと大変な騒ぎになって、日本選手団の唯一の自慢だった。

 

 14才で金メダルとは、少なくとも4年後(18才)、8年後(22才)も連続金メダルを取れる実力がある天才少女だと期待していたが、それが、日本の悪い習慣で「出る杭は打たれる」ことになって後が続かなかった。どうやら、中学校で金メダリストとして仲間が尊敬してくれるのではなく、生意気な奴と思われていじめられ、いっそのこと金メダルなんかとらなければよかったと思うようになり、練習から遠ざかったという。結果を出さなければ注目されずに済むと考えて練習しなくなったそうだ。これではせっかくの逸材がもったいない。

 

 13才で金メダリストになった西矢モミジ選手には、こんな経験はしてもらいたくない。幸い、彼女の住む松原市には「スポーツパークまつばら」という2015年開設の市営遊び場があり、そこで地元の子どもたちが結構高度なスケートボードができるというから、割と人気のスポーツになっているようで、上手すぎるからいじめられるということはなさそうだ。この調子で続けてくれたら、オリンピック6回連続金メダルとか、とにかくメダリストになるのも夢ではない。6回目のオリンピックの時は、彼女は32才だが、今回の女子スケボー・ストリート米国代表のAlexis Sabloneさん(4位入賞)は34才だ。才能ある者を周りの者が育てる環境を、我が国も整えなければ、せっかくの才能がもったいない。