日本チームの活躍はすばらしい。和をもって貴しとなす。特に女子団体追い抜き(2,600m pursuit)では、日本選手は、個人レベルではオランダ人選手の誰にもかなわないのに、チームワークでオランダを制し金メダルを勝ち取った。元々かなわないと言ってもわずかな秒単位、秒以下の単位の違いだからほとんど同じレベルの実力者同士の比較なので、無理に順位を付けること自体に無理がある。しかし、順位を付けないと、メダルを誰にあげていいのか分からないので、無理なことをしているのだけれど。
それにしても、それまでの世界王者オランダは恐ろしい選手ばかりをそろえている。Pyeong Chang個人種目女子3,000mでは金銀銅すべてオランダ人だ。1,500mでもオランダは金と銅メダル。女子団体追い抜きのメンバーの一人Ireen Wust(Sochi 3,000m金メダリスト)に至っては、既にPyeong Changで1,500m金メダル、3,000m銀メダルを勝ち取っている恐ろしい選手だ。同じオランダのメンバーでAntoinette De Jongは3,000mの銅メダリスト、MarritLeenstraは1,50mの銅メダリスト、JorienTer Morsは1,000mの金メダリスト。
こんな選手の集団と戦うのはすごいプレッシャーだと思うが、日本人選手はそれをはねのけ五輪記録を塗り替える記録で金メダルに輝いた。オランダ人のコーチのおかげだとオランダでは言われているようだが、選手も大変な自己犠牲でここまで来たのだろう。365日のうちの300日をみんなで練習に充てたというから、並大抵の努力ではない。チームの体をなしていない韓国と比較すると雲泥の差だ。
高木姉妹、菊地彩花、佐藤綾乃の金メダルは、死ぬほどの厳しい練習のたまものだが、これこそ聖徳太子のお家芸ともいえるのかもしれない。2008年北京五輪男子4x100m団体戦で浅原選手などの日本チームが全員個人ベースでは日本人選手よりも速いJamaicaに勝って銅メダルを獲得した時も、日本人の団結力の魅力が注目された。Usain Boltなど恐ろしく速い選手ばかり集めた国に勝たなければメダルはあり得なかったのだが、敵国はバトン引渡の技術が未熟だった。