アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

巨額定額給付金持ち逃げ犯

 山口県阿武町が、間違って、定額給付金463世帯分を一人の男の口座に振り込んだ事件が、不思議な方向に進んできた。4,630万円のうち、約4,300万円がonline casinoの決済代行業者3社から阿武町に戻ってきた。4,630万円着服男は、弁護士経由、全額online casinoで使ってしまったと言っていたので、それが正しければ、返済の資金はないはずだ。阿武町が「法的に確保した」お金が第三者弁済とすれば、4,630万円男が決済代行業者に第三者弁済の承諾をしたことになる。

 

 4,630万円着服男に代わって阿武町に弁済した決済代行業者は、これから着服男に返済せよと請求する権利を取得する。着服男が本当にonline casinoで全額すってしまったのが事実なら、この男の親でもない決済代行業者が、男に代わって弁済する筋合いはないはずだ。それが、なぜか男から入金された全額を阿武町に返済したのには、意味深長な理由があるようだ。

 

 元々、わが国ではcasinoは違法賭博であり、認められていない。IR法(統合型リゾート整備推進法)で認められた特定の場所でのみ、casinoが将来合法化されることは決まっているが、online casinoはまだ合法化されていない。決済代行業者が男に代わって弁済した魂胆は、自分たちの経済活動が、違法な賭博に関わるものであることを認識しているからに違いない。既に警察も動いて、決済代行業者の口座も差し押さえているというから、次はこれらの決済代行業者にガサ入れがいつ来るかの問題だ。調べられたら、4,630万円男以外の顧客リストもすべて警察に筒抜けになるどころか、違法な経済活動をしている決済代行業者の登録も抹消されることになる。

 

 銀行法に基づき金融庁の登録を受けている決済代行業者は、credit cardやdebit cardなどの決済業務を行っており、online casinoへの入金と知って資金決済を代行するのは、業務のほんの一部に過ぎない。そのために登録が取り消されると面倒なので、顧客(4,630万円男)からどう回収するかはさておき、とりあえず、犯罪収益金をonline casinoのために入金したことが判明したので、第三者弁済を優先したと想像がつく。

 

 その後の調べで、この男は、山口市内から阿武町の空き家バンク制度を利用して、2020年10月に引っ越してきた田口翔(24才)であることが判明した。阿武町が、減少しつつある住民を増やそうと、一軒家を月額25,000円で貸す制度を利用して、新規住民に10万円の奨励金を払い、今回、住民税非課税の男にもcoronaで生活が大変だろうと、定額給付金10万円を払ってあげたが、なぜか役場の新人職員が間違って、463世帯分をもう一度、田口翔の口座に振込の指示をしたという。指示を受けた山口銀行の担当者も、新人なのかどうかわからないが、普通の感覚であれば、役場に確認の電話ぐらいするだろう。自分のやっている仕事の意味を考えずに働く者があちこちにいるために、今回の問題が起こったのだと思われる。

 

 第三者による弁済がされたところで、田口翔が誤振込の大金を着服してonline casinoで使った事実は残っており、この若者は、まず、刑罰を受けることから人生をやり直さねばならない。