アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

Putinの最後の悪あがきか

 Putinがウクライナ東部2州(Luhansk, Donetsk)南部2州(Zaporizhzhia, Kherson)で偽の住民投票を強行し、ロシアがその結果をもとに4州をロシアに併合したと発表した。住民は1カ月以内に拒否の意思表示をしない限りロシア国籍を取得し、ロシアのpassportが付与される。当然、今回の部分動員令で対象の国民は軍隊に徴収される。たとえ土地がロシア領になったところで、ロシア国籍を取得しないと言えば徴兵を免れる筈だが、その場合、どのような仕打ちがあるか分かったものではない。ロシアが占領した地域では、いくらかでも占領軍に反抗するものなら、拷問されて地中に埋められているから、当該4州の住民にとって、どちらの選択もいばらの道だ。

 

 今回の動員令は19才から55才までの男性が対象となり、1年間の兵役義務を終えた予備役(約2,500万人)の中から選ばれることになっている。ロシアの人口は、約1億4500万人なので、6人に1人の割合で召集令状が届く可能性がある。Putinは30万人を集めると発表しているが、現場では120万人を集めろと政府から指示が出ているとの情報があるそうだ。徴兵回避のため、国外に出国する体力と経済力がある人たちは、既に100万人ほどが国境を越えたという。PassportがなくてもArmenia、Kazakhstan、Kyrgyzstanの3か国には入国できるので、9月21日の部分動員令以降、Kazakhstanだけで20万人を超えるロシア市民が入国した。Passportがあれば、Azerbaijan、Egypt、Turkey、Uzbekistan、Georgia、Mongolia、Norwayにも行ける。

 

 動員令の対象外となる条件は、「国外に永住している人」「学生」「健康上の理由で兵役に就くことができない人」「介護を必要とする家族がいる人」などだが、実際には、学生とか60代の老人、持病のある人、入院中の病人などにも召集令状は届いており、ロシアでは大問題になっている。正当な理由なく召集を拒否したら刑務所行き、前線に送られて自発的に投降すれば10年の懲役刑、一旦激戦地に送られたら、進むも地獄、逃げるも地獄だ。招集通知は職場にも届くから、召集拒否したら解雇され、失業するので、一家は生活できなくなる。

 

 ウクライナ4州を併合し、部分的動員令を発令して、対ウクライナ戦争の劣勢をある程度挽回してから和解に持ち込もうというPutinの目論見は、失敗するだろう。ウクライナは当該4州で強烈にロシア軍を敗北に追い込み広大な領土を奪還しており、多くのロシア兵は武器を捨てて逃走している。「特別軍事作戦」にプロの軍人が行っている間は、庶民は自分たちに関係ないと安心していたが、ここにきて、ほぼすべてのロシア人の家族、親族、恋人が戦争に関与させられるとなると、一般のロシア国民が戦争に反対するようになり、Putinを批判するようになって、Putinは国内でも絶体絶命の状況に陥りつつある。プロの軍人が10万人以上戦死・負傷して使えなくなり、その補充に戦闘経験のない予備役の追加投入は、無駄死を増やすだけで効果はないといわれている。Putinは最後の悪あがきで小型核を使うかもしれないが、その時は確実に負けを覚悟した時だろう。核を使えば、NATO・米国が徹底的に反撃するとPutinに伝えているそうだ。間もなくPutinの時代の終わりの時がやってきそうだ。