アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

Prigozhin暗殺される

 ロシア民間軍事会社WagnerのtopであるYevgeny PrigozhinとDmitry Utkinの二人を含むWagner関係者7名、pilotなど乗務員3名、合計10名を乗せたprivate jetが8月23日、ロシア国内で機内爆発、墜落、炎上、10人全員が死亡した。この事故を受けてPutinは早速、追悼の意を表明したが、自分で暗殺命令を出しておいて遺族に追悼の意を表明とは、呆れかえるばかりだ。飛行機出発の直前に、高級ワインの木箱が積み込まれたとの情報があり、この木箱の中に爆弾が詰められたワインボトルが入っていたと推測されている。

 

 昨年2月、ロシアがウクライナに軍事侵攻して以来、Putinは自分を批判する者を間接的に暗殺してきたが、その数、40人以上になる。米欧の新聞には40名の顔写真と実名が出ており、軍幹部、政府役人、Oligarch(新興財閥)などの実業家・超富裕層などだ。Internet上にも詳細が出ており(https://en.wikipedia.org/wiki/Suspicious_deaths_of_Russian_businesspeople_(2022%E2%80%932023))、不審死の態様も様々、首つり自殺(実業家Alexander Tyulakov、61才)、舟から転落死(公社社長Ivan Pechorin、39才),交通事故死(元Dagestan共和国副首相Magomed Abdulayev、61才)、インドのホテルで変死(州議員で実業家Pavel Antov、65才)、英国の自宅で変死(実業家Mikhail Watford、66才)、飛行機内で毒殺(政府高官Pyotr Kucherenko、46才)、他に、がけから転落死、高層住宅から転落死、拳銃自殺(遺書も準備)などもある。

 

 今回のPrigozhin一行10人の飛行機爆破は、大将一人だけを暗殺できなかったので、乗務員も含め全員死んでもらうしかなかったというのだろう。Putinは自分に謀反を起こした者を生かしておくことはできず、早かれ遅かれ、どこにいてもPrigozhinは暗殺されていたと誰もが思っていた。むしろ、6月のcoup d'état発生から2か月も彼が生き延びたことに世界は驚いているほどだ。Putinは大いに恥をかかされ、威信が下がったことで怒り心頭だったに違いない。Prigozhinが生きていたら来年の大統領選挙もどうなるか予想もつかないので、絶対に消し去る必要があったのだろう。

 

 しかし、Wagnerの戦闘員は、親分Prigozhinに忠誠を誓う輩で成り立っており、Putinの仕業で親分を殺されたとあっては、この後、ロシア軍に従いますなどと言うはずはない。親分の仇を取るため、今度は本当に首都モスクワを攻めると公言している(6月は首都200km手前で進軍を中止した)。WagnerというPrigozhinの作った武装集団と、Putinというヤクザが率いるロシアの本当の闘いがこれから始まるというのだ。Wagnerがこれを機にウクライナ側に寝返る可能性もゼロではないと思うと、Prigozhin暗殺も、いい方向に歴史を動かすかもしれない。