アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

藤井聡太の超人・超AI能力

 藤井聡太の全八冠達成、将棋史上初の快挙だと騒いでいる。21才がとんでもない記録を作ったのだ。僕のように将棋も碁もできない者にとってはあまり詳しい話は理解できないが、解説者の話から、この若者はAIをしのぐ超人能力の持ち主だということがわかる。将棋の世界にはタイトルが8個あって、彼は既に7個のタイトル保持者(七冠:竜王・名人・王位・棋王・王将・棋聖叡王)であり、定期的に挑戦者が来るからこの七冠を維持しつつ八冠目を狙うというのは、超能力を要するのみならず、想像を絶する気苦労があるはずだ。人並外れた才能の持ち主が、誰もできないような努力をして、稀に達成できるかもしれない目標なのだろう。

 

 この八冠目のタイトルは王座といって、藤井七冠の挑戦時は、30才の永瀬拓矢が持っていた。今回の対戦は藤井七冠と永瀬王座の闘いだった。全5局の対戦で、3局を制した者が王座を維持するか新王座になる。しかし、ここに来るまで、永瀬王座の挑戦者と認められる人は16人、藤井七冠は16人でやるトーナメント4回戦すべてで勝ち続けないと、最終、永瀬王座との決勝戦に望めない。その16人の中には、羽生善治九段(七冠独占経験者)もいるから、このトーナメント制覇も並大抵のことではない。最後まで勝ち残って永瀬王座と対局したのが藤井七冠だ。

 

 決勝戦1局目(8月31日)は藤井七冠が終盤まで優勢で藤井七冠の勝利かと思われたが、最後に永瀬王座が逆転勝ち。挑戦者藤井七冠は黒星スタート。2局目(9月12日)は永瀬王座優勢のところ、藤井七冠が逆転して、大熱戦の末、藤井七冠の勝利、これで二人とも1勝1敗の引き分け、3局目(9月27日)も永瀬王座優勢で始まるも、藤井七冠がまたまた逆転して、藤井七冠2勝1敗。4局目(10月11日)、永瀬王座優勢のままほぼ終盤に近付き、勝敗を予想するShogi AIも永瀬王座の勝率99%と表示するも、相手のミスを誘う藤井七冠の次の一手で、永瀬王座が読み違えたのか、藤井七冠はすかさずそこをついて形勢をひっくり返し、Shogi AIによる藤井七冠勝率は1%から91%に上昇、藤井七冠の大逆転勝利、3勝1敗で王座戦を制して、史上初の八冠が誕生した。戦いは一人持ち時間5時間、二人で10時間だから、朝9時に始まって終わるのは夜、体も頭も極限まですり減るだろう。頭を掻きむしって考える永瀬王座の姿が印象的だ。

 

 第4局終盤でShogi AIが永瀬王座の勝率99%と表示した時、関係者は永瀬王座の勝利を確信したそうだ。そのAI予想をひっくり返して藤井七冠の逆転勝利、AIの「超能力」を超えた20才の棋士は、これから何を狙うのか、どんな記録を作るのか、AIにきいても、恐らく、分からないだろう。