アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

来る連動型巨大地震と富士山噴火

 首都直下地震南海トラフ巨大地震、富士山の噴火、この3つがほぼ同時に発生する大災害が起こった場合、我が国にとって壊滅的な被害をもたらすだろうことは想像できるが、余りにも衝撃が大きすぎて、国はその準備ができないどころか、政府の中央防災会議も想定すらしていない。しかしこの複合型天災は320年ほど前に実際に起った記録がある。歴史は繰り返されるという前提に立つなら、再度起ることはないと考えるべきではなく、現に近年起っている地震の頻度をみると、この最悪の連動型天変地異がかなり高い確率で発生する可能性は大きいと思われる。

 

 1703年12月31日、Mag.7.9~8.2と推定される巨大地震が、江戸を含む関東地方一帯に発生、江戸城の石垣も崩落した。「元禄関東大地震」と言われるこの大地震津波により、関東地方は壊滅的打撃を受け、人的被害、家屋損壊・焼失・流失の被害は「甚大」と記録されている。

 

 その4年後、1707年10月30日、南海トラフ(Trough)の両側が一気にずれ動く全割れの宝永大地震東海地震と南海地震の連動型、推定Mag.8.6~9.3)が発生、江戸を含む静岡から四国に至る広範囲に、我が国の記録に残る最大規模の被害をもたらした。死者は2万人超、全壊・流失家屋は8万軒以上、壊れた堤防は合計800kmに達したと推計されている。その翌日には、富士宮付近を震源とする大きな余震が発生した。同年12月16日(宝永大地震から49日後)、今度は富士山が噴火し、これは2週間続いた、いわゆる宝永の富士山大噴火である。南海Troughを北東に延長すると富士山西麓の活断層富士川河口断層帯に連続していて、巨大地震が誘発した富士山の噴火と考えられている。地震波によりマグマが発泡し噴火に至ったという理論だ。

 

 富士山宝永大噴火による被害は記録に残っている。噴煙が噴出物を上空高く舞い上げて100km先まで届く。3mを超す火山灰の重みで家屋は倒壊し、農耕地は耕作不能に、河川も氾濫する。これからの富士山噴火は確実に首都の交通もマヒさせるだろう。首都の大混乱は長期にわたって続き、食糧不足が現実問題になる。大地震と富士山の噴火を複合的に想定した被害予測など政府は行っていない。防災白書だって、東日本大震災は想定していなかった。消防白書は半割れを前提としており、巨大すぎる全割れの被害は想定していない。建築基準も地震が連動して起こることは想定しておらず、連動型天変地異が起こるとお手上げだ。

 

 元禄関東大地震・宝永大地震並みの巨大地震と富士山大噴火の連動型災害が起こると、公助を頼りにしている場合ではなく、近所の助け合いの共助と自力で頑張る自助しかない。防災備品を揃えておくとか、数日間の水・食料を備蓄しておくなど、自分でできるだけのことをして、あとは運を天に任せるしかない。願わくば自分が生きている間に連動型大災害が起こらないように、もし許されるなら、我らの子の代にもそのような災いが降りかからぬように。我々人間の運命は、制御不可能な地球の営みに翻弄されるようになっているのだから。