アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

自然災害という不可抗力

96日未明、地震はないと思われていた北海道で震度7の大地震胆振東部地震が発生した。死者41名、負傷者680名、建物全壊82、半壊97、一部損壊380、そのうえ長期にわたってほぼ全道で停電と強烈な被害をもたらした。その直前、94日には台風21号により、大阪府ほぼ全域で住宅損壊、停電などの被害があったばかりだ。岸和田でも屋根が壊されたり瓦が飛び散ったりとかなり強烈な台風だったことがわかる。関空は滑走路が水浸しになり、おまけに連絡橋にタンカーが衝突して使えなくなるなど、関空始まって以来の大事件となった。最大瞬間風速は関空で秒速58mと記録されているから、19619月の第二室戸台風以来の大型台風だ。
 
震度7地震は、今世紀に入って4度目の発生だ。2004年(新潟中越)、2011年(東北)、2016年(熊本)、2018年(北海道)と来て、発生間隔も毎回短くなっている。そのうち毎年起こるのが当たり前になるのかもしれない。不可抗力だから、人間の努力で発生を抑えることもできない。高い確率で来ると言われている南海トラフ地震が発生すると、死者32万人との試算が出ている。その後20年間の経済被害は1,410兆円だとか。我が国のGDPのほぼ3年分に匹敵する。
 
地震も台風も人間の生活を脅かす恐ろしい自然現象だが、小惑星の衝突という、もっと大きな被害をもたらす悲劇もあるのだそうだ。2013年、ロシアのチェリャビンスク付近の上空で爆発した直径20m程の隕石でさえ、建物の壁が破壊され、窓ガラスが吹き飛んで1,500人ほどが負傷した。この隕石が放出したエネルギーは、広島原爆の約30倍に相当する。6,500万年頃前の直径10-16kmといわれる巨大隕石がメキシコ・ユカタン半島に衝突した時は、地上に直径180kmの巨大なクレーターができ、恐竜をはじめとするすべての生物の75%が死滅したという。
 
巨大隕石が地球にぶつかると大量の塵が降り続ける。この塵が太陽の光を遮って地球を寒冷化させたこと、及び、衝突により三酸化硫黄が大量に発生し、これが酸性雨を降らせ、酸性雨により海が酸性化したことで多くのプランクトンが絶滅し、その結果、食物連鎖が崩れ、ほとんどの生物の絶滅につながったといわれる。巨大隕石の衝突は、生物の生存する環境の大変化をもたらし、多くの生物を絶滅に導く。
 

地球の周りには、NASA米航空宇宙局)が把握しているだけで、少なくとも18,000個の隕石乃至小惑星が浮遊している。これらの物体は地球近傍天体(Near-Earth Object =NEO)といって、いつ地球に衝突しても不思議ではない。その中で少なくとも1,000個は直径1km以上の極めて危険な天体だという。直径1km小惑星が日本列島に衝突乃至上空で空中爆発すると、日本全体が壊滅するだけでなく地球規模の影響を及ぼす。恐竜を絶滅に追いやった6,500年前の巨大隕石は直径10-16kmと推測されている。NEOを研究している科学者によれば、地球は「宇宙の射撃場」の中を漂っているようなものと表現される。タンカーが思いもかけず関空連絡橋に衝突したように、巨大なNEOが突然軌道を変更して地球に落下してくるかもしれないと考えると、地震・台風の方がまだましなのかなあ。