アミのひとり言

事務所のアイドル犬アミのひとり言です。

ほぼ全国民が金持ちの国モナコ

リヒテンシュタインよりももっと裕福な国民の集団がある。南フランスの中の飛び地として残るモナコ公国世界銀行の統計による一人当たり国民所得がダントツの世界一だ(2009年統計約20.4万ドル、日本は約3.8万ドルだから日本人の5倍以上になる)。主な収入源がカジノと観光とすれば日本各地の知事さんが、わが方に経済特区でカジノをと誘致するのももっともな話だ。ただ、この国の人々がカジノで夜な夜な遊んで財をなしているのではないことははっきりしている。モナコ国籍を持つ自国民はカジノ禁止なのだ。モナコはカジノの主宰者であり、外国人しかカジノで遊ぶことが許されない。しかもカジノをしている建物に入るには正装(男はネクタイとジャケット)が絶対条件だった(恐らく今も変わっていないだろうと思われる)。カジノで勝つ人と負ける人に分けると統計上及び技術上圧倒的に負ける者が多い。ディーラーは100%運と思われるルーレットで90%以上の確率でねらったところを当てるゴールドフィンガーを持っているそうだ。負けるのが嫌な人はカジノをしなければよい。でもこの世には一晩で100万円、1,000万円ほどを失っても生活に困らない裕福な人もいるからそのような人達からこの国はお金をいただいているだけだ。一晩のスリルを楽しもうとする外国人プレーヤーにその機会を提供して富を移転させてもらっているだけだから何も悪いことではない、カジノは社会善であり合法だという。映画を観てもお金がかかり、ゴルフをしてもお金がかかるのだから、カジノで遊んでもお金がかかるのは当たり前で、カジノで負けて少々損したからといって少しも不思議なことはない。13世紀末、グリマルディ家初代がこの地を占拠してから今日まで同じグリマルディ家の子孫が国王又は大公として君臨してきた。現大公アルベール二世(Albert Alexandre Louis Pierre Grimaldi, 1958年生まれ)はようやくこの6月婚約、来年正式に結婚する。国民の84%は外国人だが、富裕な外国人しか市民権を得られないから結果的に国民の大半が金持ちなのだともいえる。モナコOECDによる「非協力的租税回避地」の指定を受けておりマネーローンダリング(資金洗浄)を得意とする。個人所得税がゼロの国だから母国の高所得税に嫌気がさした富裕な実業家たちが更に集まり、中には怪しげな資金を扱うことを生業としている者もいるのだろう。世界のトップブランドが並ぶ海岸通りの高級品店街、いくらお金を持っていても1日のお買いもので全額を使い切ることはいとも簡単だ。これだけ高額商品だけが売られている店があふれているということは、不特定多数の外国人観光客だけで成り立っているとも考えにくく、地元に固定客があるに違いない。この国は国内(市内)で安いレストランが見つからない、僕にとっては不都合な(場違いな)観光地であった。

2009年一人当たり国民所得順位
1位 Monaco(モナコ) US$203,900
2位 Liechtenstein(リヒテンシュタイン) US$113,210
4位 Luxembourg(ルクセンブルグ) US$74,430
12位 San Marino(サンマリーノ) US$50,670
17位 USA(米国) US$47,240
29位 Andorra(アンドラ) US$41,130
32位 Japan(日本) US$37,870
124位 China(中国) US$3,590
161位 India(インド) US$1,180
202位 Afghanistan(アフガニスタン) US$370
211位 Congo(コンゴ) US$160
世界銀行統計(2010年9月発表)